2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第13号 (Aコース)
清華大学の大学院生が首都医校で「日本のリハビリ・介護」を学ぶ
首都医校からの報告
医療・福祉の資格と就職を保証する専門学校首都医校では、世界大学ランキングでアジアトップの清華大学の学生との国際研修プログラムを実施しました。本プログラムには、清華大学社会科学大学院の学生7名が参加し、各自の研究テーマに関連する「日本のリハビリ・介護」について学びました。
清華大学の学生たちは、建築、医療、農業など異なる専攻ですが、日本の医療分野に対する関心から、本プログラムに参加。本学では歯科衛生士、作業療法士、介護福祉士のカリキュラム体験と両国学生による意見交換会が組まれました。
初日は、「高齢者の食生活を支えるチームケア」に関する講義が行われ、日本の高齢者を取り巻く実態や専門職と他職種の連携について説明されました。その後、歯科衛生学科、作業療法学科、介護福祉学科の教員による講義と実習が続きました。
歯科衛生学科では、高齢者の口腔状況や口腔と全身の健康の関連性について学びました。実習では、高齢者の食事指導や、マネキンと器具を用いた口腔ケアの体験が行われました。作業療法学科では、自助具の種類や患者の事例について説明があり、実際に自助具を作成する場面では、首都医校の学生がジェスチャーも交えながら丁寧にサポートしました。介護福祉学科では、高齢者の生活に寄り添った口腔ケアを、レクリエーショを通じて体験しました。
清華大学の学生たちは、研修中に様々な鋭い質問をしました。「自助具は患者の症状に合わせて作るのか、既製品はどう使い分けているのか」「チーム医療にはトップ(指揮者)がいるのか」といった質問が挙がり、参加者全員にとって有意義な議論が展開されました。また、両国学生による意見交換会では、清華大学の学生が医療・福祉の専門職を目指した理由や実習経験について熱心に質問し、お互いの国の医療実態や文化についても意見が交わされました。この交流は和やかで、学びの多い時間となりました。
研修を通じて、首都医校の学生からは「言語の壁はあるものの、ジェスチャーや物を使って理解してもらえたことが嬉しかったです。清華大学の学生とのディスカッションでは、新しい視点を得ることができました。」また、「中国には作業療法士という職業はまだ存在しないため、自分の学びを知ってもらえる機会になりました。日本語でのコミュニケーションが難しい中で、どう伝えるかを工夫する必要があると感じました。」という意見もありました。
日本で活躍している中国出身の卒業生も、介護現場の現状を紹介するため本研修に参加しました。「清華大学の学生たちの質問が非常に鋭く、専門家のような視点であり感心しました。歯科衛生学科の講義で学んだことは、今後の仕事に活かしていきたいと思います。中国では介護保険制度が進んでいないため、日本の制度を参考にし、中国でも制度が確立できるよう貢献したいです。」との声がありました。
一方、清華大学の学生たちは、「首都医校の学生の気配りに感動しました。言葉の壁があっても、私の困っていることを察してサポートしてくれました。今回の研修はスタートに過ぎないので、次回は清華大学に来ていただき、さらに交流を深めていければと思います。」と述べ、また「日本の高齢者社会の理念に大変感銘を受け、中国の超高齢化社会に活かしていきたい」との意欲を示しました。
今回の国際研修プログラムは、参加者全員にとって貴重な学びの場となり、国際的な視野を広げる良い機会となりました。