2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第224号 (Aコース)
タイ、インド、日本に共通したエビ類の感染症を日本の先端技術と知見で総合的に制御する
福山大学海洋生物科学科からの報告
福山大学生命工学部海洋生物科学科では、JSTの支援を受けて、さくらサイエンスプログラム(SSP)を2024年2月13日~19日に実施しました。今回は、タイ王国のプリンスオブソンクラ大学(PSU)から学生3名と教員1名、ラジャモンコン工科大学スリビジャヤ校(RUTS)から学生2名と教員2名並びにインドのベロール工科大学(VIT)から学生3名と教員1名の合計12名を招へいしました。この内訳は、JSTによる支援を受けた10名と所属大学等の支援を受けて来日した教員2名です。
2月13日、インド、バンコクから福岡空港に到着した一行は広島県福山市まで新幹線で移動。日本訪問は初めての学生さんばかりでした。
14日は学長表敬。研修生たちは福山駅から大学まで、JRとスクールバスを乗り継いで登校しました。学長表敬では、昨年締結したPSUとの大学間学術・学生交流協定の今後について検討しました。さらに、RUTSとVITとの新たな交流協定締結についても話し合い、締結することで準備を進めることとなりました。この後は、安全教育としての日本語講座を実施し、午後からは山本知里講師による鯨類に関する特別講演を受講しました。
15日は内海生物資源研究所を訪問。センター長の太田教授、有瀧教授、水上講師並びに真田講師による研究紹介と日本人学生の説明による所内見学を行いました。また、定期的に研究目的で実施されている地引網にも参加しました。午後からは、研修生たちが研究成果をポスターセッションで発表。日本人学生も積極的に質問するなど、先の所内見学と合わせて、学生同士による活発な学術交流が行われました。
16日は伊丹教授による講義「LAMP法によるエビのウイルス病検出方法について(Ⅰ)」を受講しました。午後から未来創造館1階で開催されたポスターセッションでは、海洋生物科学の学生や教員を中心に多くの教員・学生の皆さんが参加して、活発に交流を図っていました。その後、修了証書の授与式を行いました。
17日は「LAMP法によるエビのウイルス病検出方法について(Ⅱ)」を受講しました。講義の中で伊丹教授は自身の留学経験についても触れ、「研究遂行上留学経験は重要であるので、是非再来日して日本での学位取得を目指すように」と勧めました。その後、質問等を受けながら、配布された資料の整理をしてもらいました。
18日は水上講師の引率によって、日本文化と世界遺産の学習のために広島平和記念資料館と厳島神社を訪問して、福岡市へ移動。19日、福岡国際空港からタイとインドへ帰路につきました。
なお、本プログラムの実施にあたっては、3か国4大学を結んで1月に事前の、また3月に事後の遠隔会議を開催して、渡航の効果が最大限に活かされるように計画しました。
プログラム実施後、研修生の皆さんから「研修内容と学術交流が有意義なものであった」と、報告をいただきました。さらに、本学の特徴的な施設としての内海生物資源研究所を国際的に活用して、より一層の研究成果を挙げるため、4大学の共同研究計画の策定に合意しました。この計画を推進するために、参加した3大学からは本学への大学院生の派遣について申し入れがありました。
今回、学生・研究交流に大変有意義で継続的な国際交流を始めることができました。このような機会を提供していただいた「さくらサイエンスプログラム」とその関係者の皆さまに深く感謝いたします。