2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第221号 (Aコース)
シンガポール・ポリテクニックと佐世保高専との実験実習教育ならびに各種工場見学を通したものづくり学習交流
佐世保工業高等専門学校からの報告
1.概要
佐世保工業高等専門学校は、2024年3月2日~9日の8日間、シンガポール・ポリテクニックから機械系学生9名と教員1名を迎え、「ものづくり」学習の国際交流活動を実施しました。両校とも実験実習を重視した実践的「ものづくり」教育を行っており、日本の機械系「ものづくり」教育の現場を紹介し、また、造船とロボット製作の最先端企業の見学を行い、今後の学習に活かす機会としました。さらに、軍港佐世保市や、原爆投下を受けた長崎市の各種資料館等を見学し、日本の歴史や日本とアジアの地理的・歴史的関係について学習し、日本についての理解を深めるようにしました。
2.機械実習工場や機械系研究室の見学
ものづくりの実践的教育の現場となる「機械実習工場」を見学し、実習内容の紹介と製作している「歯車減速機」の説明や、最近納入した5軸のマシニングセンターを紹介するとともに、レーザーカッターでの歯車模型の製作実演を見学しました。その後、切断した歯車模型を組み立てて、歯車型キーホルダーの製作を体験しました。また、機械系の各種研究室を訪問し、専攻科学生による研究内容の説明を受け、ディスカッションを行いました。
3.造船所とロボット工場の見学
6万トン級のばら積み船を一つのドックで年間40隻も製作している造船所を見学し、その製造技術を理解するとともに、建造中の船内も詳しく見学して普段では見られない貴重な体験をしました。また、多軸で動くロボットを製作している会社を見学し、人とロボットが共同で新しいロボットを製作する現場を見学することができ、ロボット工学を専攻している参加学生が多かったので、とても興味深い見学ができました。
4.佐世保高専学生との交流
両校の学生同士でゲームや軽食をとりながら、英語による交流を実施して互いの理解を深め、今後の連絡継続も約束するほどの関係を構築しました。
5.各種資料館の見学
佐世保市にある「海軍資料館」を見学して、佐世保港の発展の歴史や各種戦争の内容について理解を深めました。また、長崎市にある「原爆平和公園」や「原爆資料館」、そして、江戸時代の鎖国時に唯一開かれた港の「出島資料館」を見学し、日本の重要な歴史を学習しました。さらに、福岡市にある「九州国立博物館」も見学し、日本とアジアの関係について理解を深めました。