2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第211号 (Aコース)
宇宙線の拓く未来 ~ミュオグラフィ技術のインフラや学際研究への応用について学ぼう~
早稲田大学本庄高等学院からの報告
2024年1月25日~1月31日、アルゼンチンのウエチュラフケンサイエンスクラブ(Club de Ciencias Huechulafquen)から、宇宙線をはじめとした素粒子物理の技術探究をテーマとして教員、大学生、高校生の計5名を招へいし以下のスケジュールで交流を行った。
1/25 | 日本着 |
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1/26 | 早稲田大学理工学術院 中垣研究室でのカーボンニュートラル技術の見学 |
国立科学博物館見学 | |
1/27 | 日本科学未来館見学 |
早稲田大学理工学術院 片岡研究室での宇宙線探求活動(加速キッチン)見学 | |
1/28 | 草津温泉での湯畑等日本の自然放射線環境を理解するためのフィールドワーク |
1/29 | 本庄早稲田の杜ミュージアム、本庄市秋山庚申塚古墳訪問 |
早稲田大学本庄高等学院での交流:本校での研究活動の紹介、授業での実験体験、宇宙線の測定検出器の紹介・サイエンス部との研究発表会・共同研究 | |
1/30 | 理化学研究所での素粒子実験についての講義と加速器群見学 |
1/31 | 日本発 |
昨今、文理融合・横断領域の研究分野において意義深い学術研究がなされており、今後もその重要度は大きくなっていくと考えられる。特に、宇宙線透視技術を用いた遺跡の内部構造の解明は、物理学・考古学両領域にインパクトを与えた。宇宙線透視技術は原発の内部透視や津波の測定など社会的な意義も大きく、今後も広がりのある発展が期待される技術である。本校では、2020年から学校のそばの古墳の宇宙線透視を研究者やミュージアムの協力のもと行っている。今回の交流では、材料が不要で、応用領域も多岐にわたり、発展性の高い宇宙線透視に注目する。日本においてこの技術は積極的に社会インフラなどにも応用されており、その意味で宇宙線透視技術を学ぶには良い環境である。この交流では招へい者が宇宙線透視技術を知り、そのことから社会における素粒子物理学の重要性を理解し、日本におけるその実践を体験しながら学ぶことを目的としている。
アルゼンチンは地球の裏側であることから、対面の交流は難しいのが現状である。このことは、興味を持つきっかけとなる機会があれば交流が活発化する余地が大きいことを意味している。この意味で、ウエチュラフケンサイエンスクラブとの交流は、本校とアルゼンチンのみならず、日本とアルゼンチンの教育連携ネットワークの促進となるであろう。アルゼンチンとの対面による交流は、地理的な遠さを主として、物価の違いなどからも助成なしには実施することが難しいものである。本助成によりこの交流が実現されたことに大変感謝し、これをきっかけにアルゼンチンの学生が日本に対する具体的なイメージを持ち、ひいては大学や研究機関への留学生となる人材の掘り起こしとなる端緒となれば幸いである。