2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第199号 (Aコース)
SDGsとカーボンニュートラルに向けた日本・ASEAN・EU技術ネットワークの強化
熊本大学大学教育統括管理機構・グローバル教育推進室
教授 Armando T. QUITAINさんからの報告
2024年1月14日~1月20日、スペイン(バリャドリッド大学)、インドネシア(スラバヤ工科大学)、タイ(チュラロンコン大学、モンクット王工科大学トンブリー校、シラパコーン大学)、フィリピン(デラサール大学、フィリピン大学、アテネオデマニラ大学、サン・カーロス大学)、マレーシア(ペトロナス工科大学)の5カ国10大学より大学院生7名、教員3名、計10名を招へいし、「SDGsとカーボンニュートラルに向けた日本・ASEAN・EU技術ネットワークの強化」というテーマで科学技術体験プログラムを実施しました。参加したのは、化学工学、機能性材料、有機化学、高分子化学、生物学、プロセス工学などを専攻する大学院生と若手教員でした。
招へい一週間前、オンライン交流を行った後、下記のプログラムを実施しました。
【1月14日】
招へい者が来日されて、空港までお迎えしました。
【1月15日】
午前中の「オリエンテーション」では、招へい者の各国・大学の紹介、熊本大学紹介(歴史、教育、研究)・留学案内、意見交換を行いました。午後は、JST e‑ASIAプロジェクトの成果および今後の取り組みの紹介(東南アジア中心バイオマス有効利用技術開発)、SDGsの目標達成およびカーボンニュートラル社会への貢献について講演を行いました。その後、熊本大学のキャンパス・ツアー、教員および学生と意見交換会を行いました。
【1月16日】
「実験・研究の設備の見学 企業・工場訪問」では、熊本大学(KU)を始めとする熊本地域が取り組んでいるバイオマスの有効利用関連および炭素系触媒開発に関する研究・実験等を紹介しました。熊本県内の公的研究機関および化学メーカーも見学しました。熊本県産業技術センターを訪問し、最先端の技術や分析機器の説明をしていただきながら見学を行った他、熊本地域で進められている、JSTの地域イノベーションプログラムについても説明を受けました。化学メーカー1では、ラボスケールから大量生産プロセスを紹介して頂きました。
【1月17日】
「ミニ国際シンポジウム、"2024 4th International Symposium on Green Chemistry and Engineering"」では、招待講演に加えて、ワークショップおよび参加者の交流も実施しました。各参加者による研究についての口頭発表の後、質疑応答を通して、研究分野に関するディスカッションを行いました。木田研究室に在籍している学生によるポスター発表をはじめ、様々な研究分野に関して興味深く聴講している様子でした。
【1月18日】
国際先端科学技術研究機構(IROAST)および熊本大学産業ナノマテリアル研究所(IINa)を見学しました。午後は、ビール工場にて日本の優れたバイエタノール製造プロセスの設備を見学し、バイオプロセスを学びました。
【1月19日】
共同研究に向けてIINaおよびIROASTの教員との面談行った後、留学生および本学学生との交流会、グループディスカッション「代替エネルギー・バイオマス有効利用に関する共同研究へ向けて」を実施し、共同研究の促進を加速させるため、日-ASEAN-EUの「SDGs・Carbon Neutral Awareness Hub(SDGs・カーボンニュートラル啓発ハブ)」を設立しました。
【1月20日】
参加者が母国に帰国するために、空港まで見送りしました。
本プログラムで日本と海外の学生および若手教員が交流することで、日本とEU・東南アジア地域における若手研究者の育成が期待できます。最後に、本プログラムを実施するにあたり、多大なご支援をいただきましたさくらサイエンスプログラム関係各位に深く感謝いたします。