2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第198号 (Aコース)
明日にかける橋(ここにこんな橋があったら)
~函館から世界へ。多国籍チームで挑むSDGs目標13
函館工業高等専門学校からの報告
3月1日から3月7日の間、モンゴル、タイ、シンガポールから学生と教員を招へいし、持続可能な未来社会に向けた課題解決として「明日にかける橋」をテーマとしたKOSEN Global Campを開催し、39名の学生(第1ブロック高専学生27名(うち本校学生18名)、モンゴル4名、タイ4名、シンガポール4名)が参加しました。
世界全体でグローバルな社会経済課題に取り組む持続可能な開発目標(SDGs)の中でも、世界中で発生している異常気象等を原因とした自然災害に対処できる技術向上が望まれています。安全性や必要性、住み続けられる街づくりをイメージしながら、「明日にかける橋(災害時に必要な橋)」という課題について多国籍チームで議論を展開し、橋の実地見学や、「橋」についてのレクチャー・演習、3D‑CAD デザイン、3D造形、および、実模型製作などを通して、多国籍の学生からなるチームが、同じ目線で自発的に気付きを得られる機会となりました。
【初日】
招へい学生・教員の皆さんが函館空港へ降り立ち、プログラムがスタートしました。まずは宿泊施設で旅館とプログラム中の生活全般についての宿泊オリエンテーションを行ったのち、宿泊者全員が集まったところで、歓迎挨拶と宿泊学生全員の自己紹介を行いました。
【2日目】
午前中に実施したオリエンテーションでは、スケジュールやワークショップの説明と、参加者の自己紹介を行い、アイスブレイク(ダヴィンチの橋)を実施して参加者同士の交流を促進させる工夫を取り入れました。午後からは、橋の力学に関する講義と演習を行いました。
【3日目】
午前中は、実際の橋の見学として、函館高専の敷地内に設置してある災害復旧用木製トラス橋を見学しました。TA学生が英語により案内及び説明を行いました。この日は、3月では珍しい降雪量でしたが、雪の降らないタイとシンガポールの学生にとっては、特に貴重な体験となりました。
午後からは、2日目に引き続き、設計の基礎に関する講義と演習をグループディスカッションも交えて行いました。
【4日目】
第一講義室に集合し、簡単な振り返りを行った後、本校CAD演習室において3D‑CADを用いて、グループで橋に取り付けるオリジナルネームプレートモデルのデザインワークを行いました。読売新聞の取材も受けながら、学生たちは精力的にグループで話し合い、次々と自分たちのアイデアを具体的な形へと3D‑CADモデルをデザインしていました。その中で、CADモデル作成に長時間かけて取り組むグループもありました。
【5日目】
午前中から2時まで、本校創造工房において、持続可能な未来社会に向けた課題解決のため、グループワークでは実際にCADでデザインしたオリジナルネームプレートを、3Dプリンタで造形し、その造形モデルを取り付けた橋の模型製作を行いました。参加者は卓上ボール盤等を用いて、木材への穴あけ作業などに集中して取り組む姿が見られました。2時からは、翌日のプレゼンテーション発表の準備を行いました。参加者たちの中には、宿泊先ホテルに戻ってからも夜遅くまでグループでスライド作成を頑張る姿も見られました。
【6日目】
午前中は、製作した橋の模型とともに、それぞれが考える「橋」について英語でグループ発表を行いました。午後からは、エクスカーションとして函館山や五稜郭タワー等を見学しました。
6日間という短い期間ではあるものの、参加者は様々な体験を通じて「明日にかける橋」への理解と国際交流を深める貴重な機会となりました。