2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第195号 (Aコース)
国際連携によるPBL活動を通して、脱炭素と低炭素技術の開発を試みる
静岡理工科大学からの報告
2024年1月14日から1月20日までの7日間、中国南通理工学院の教員1名、学生9名を招へいし、「国際連携によるPBL活動を通して、脱炭素と低炭素技術の開発を試みる」をテーマに、さくら招へいプログラム(A.科学技術体験コース)を実施しました。南通理工学院は、中国教育部の認可を受けて発足された4年制私立大学(学生数2万2千人)であり、機械工程学院、建築工程学院、計算機と情報工程学院など計12学院が設置されています。
今回のプログラムでは、大きく「脱炭素・低炭素技術PBLの実施、およびその報告会」「企業見学」「三保の松原散策」を軸に盛りだくさんの内容が行われました。
【脱炭素・低炭素技術PBLの実施】
本学の新エネ技術の開発において経験豊富な教員の指導のもとで、10名の日本人学生とともに、3グループに分かれて熱電発電や生物発電などといった脱炭素の技術を駆使した発電デバイスの製作と評価実験を実施しました。日中双方の学生は、普段慣れていない専門用語の英語に戸惑いながらも何度も聞き返しながら内容や相手の意思などについて理解を深めていました。また、本学の研究教育施設を見学し、本学の教育と研究の現状を知ってもらう貴重な機会となりました。
【企業見学の実施と三保の松原散策】
空調の分野で数多くの脱炭素と低炭素技術を作り出した三菱電器静岡製作所と、工場内の脱炭素と低炭素に対して先進的な取り組みをしているメガロ化工(株)の2社のご協力により、工場内見学を通じて日本の高度な脱炭素技術を理解する機会をいただきました。この見学では、招へい者は説明内容について大きくうなずく姿が見られ、招へい者の一人は「省エネに対する意識が一層強くなった」との感想を述べていました。
また、その後、静岡市清水区の三保松原へ向かいました。そこでの散策では、日本の富士山、海の風景を見るほか、日本の文化への理解を深める機会としました。当日は快晴であったこともあり、富士山がくっきり見えたため、招へい者は何枚も写真に収め、それぞれの思い出に深く刻まれたようです。
【報告会】
6日目の午後には、本学の教職員と学生が見守る中、3グループそれぞれが作成したスライドにより、英語でプログラムを通じて学んだことの報告を行いました。日本語を学んだ学生が、時折日本語を交えて発表する姿もありました。この様子を聴講していた本学の日本人学生にとっても「こんなに日本語を頑張って使って表現してくれているのか」と、大きな刺激となっていたようです。
【プログラムを終えて】
PBLの共同作業や空き時間、意見交換会の間にも日中双方の学生間で、PBL・企業見学などを通じて得られた脱炭素の技術や知識、および日中の若者文化、食文化、社会文化の相違や共通点、静岡県と南通市の概況などについて意見交換が行われるなど、国際経験の少ない本学の協力学生にとっても大きな刺激となりました。
また、南通理工学院招へい者の中から、本プログラム参加を通じて、次年度以降に日本の大学院への進学や交換留学の意思を示している学生もいるとの報告を受けています。
本プログラムを通じて、両大学間での学生・教職員・研究活動など多岐にわたる交流活動がますます盛んになるものと思われます。また、それにより、国際的に活躍できる人材の養成や、地球温暖化防止にむけた技術開発につながることができればと期待しています。
本プログラム実施にあたり、ご尽力下さった全ての方々に深く感謝申し上げます。