2023年度 活動レポート 第190号:大阪公立大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第190号 (Aコース)

多様性に基づく環境科学イノベーション人材養成

大阪公立大学からの報告

 2024年2月18日から2月24日までの7日間、台湾の国立台南大学の大学生9名と引率教員1名、計10名を大阪公立大学に招へいしました。この期間中、「多様性に基づく環境科学イノベーション人材育成」をテーマに、講義や企業見学、日本伝統工芸体験に加えて、イノベーションを促す施設見学やフィールドワークを通して、環境に関する課題を発見し、協働ワークにより科学技術を活用した課題解決に向けたアイデアを生み出すプログラムを実施しました。また、大阪公立大学の学生10名もこのプログラムにバディとして参加し、一緒に学びながら国際交流を深めました。

【1日目:日本入国】

【2日目:中百舌鳥キャンパス訪問】

 中百舌鳥キャンパスを訪れ、環境問題やSDGsに関する講義を受講し、キャンパスツアーや植物工場見学を行いました。また、本学の学生とグループを組んで共に行動することで、親睦を深める機会となりました。

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大阪公立大学中百舌鳥キャンパス(中百舌鳥門前)にて

【3日目:日本伝統工芸見学と体験、講義、グループワーク】

 角野晒染株式会社で工場見学と絞り染めの体験を行いました。参加者は日本の伝統工芸を体験するだけでなく、工場での染色過程や廃水処理方法などについても学び、環境と伝統工芸の共存を知ることができました。午後には、本学阿倍野キャンパスで、課題発見と解決に向けた準備として、システム思考・デザイン思考に関する講義や、課題抽出の協働ワークを実施しました。

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伝統工芸「絞り染め」体験と伝統産業「和晒」工場見学

【4日目:企業見学、オープンイノベーションの現場見学、グループワーク】

 ダイキン株式会社テクノロジーイノベーションセンターを訪れました。ここでは、ダイキン株式会社の空調設備における環境問題への取り組みだけでなく、会社の社屋にも自然エネルギーを利用した発電設備や空調設備が導入されていることを紹介され、企業の最先端の環境への取り組みを学びました。午後にはQUINTBRIDGEを訪れ、多様な人材が交流することでイノベーションを生み出すオープンイノベーションの現場を見学し、現地にて次の日のフィールドワークの方向性を考える協働ワークを実施しました。

【5日目:企業見学、京都市内フィールドワーク】

 分析・計測機器を取り扱う株式会社堀場製作所の分析センターを見学しました。ここでは、様々な環境問題に関連する最先端の分析機器が紹介され、環境問題を可視化する科学技術を学びました。また、グループ毎に京都市内でのフィールドワークを実施し、前日に立てた計画に基づき、各地を訪れて観光客やお寺の関係者等にインタビューを行い、環境問題に関する課題を調査しました。

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企業訪問・株式会社堀場製作所

【6日目:最終成果発表会と修了式】

 本学中百舌鳥キャンパスにて、各グループが学んだ内容をもとに、成果発表に向けた準備が行われました。そして、最終の成果発表会において、各グループが発見した環境問題とその解決法に関するアイデアを披露しました。発表では、公共交通機関やごみ問題に加えて、文化財保護などの観点からも課題を見出し、興味深い提案がなされました。その後、修了式において、国立台南大学の招へい者に修了証が授与され、本プログラムを修了しました。

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グループワークと最終成果発表会の様子

【7日目:帰国】

 本プログラムに参加した国立台南大学の学生は、日本の最先端技術だけでなく、伝統工芸や文化にも触れ、本学の学生との協働を通じて、さまざまな経験を積むことができたと思います。また、バディとして参加した本学の学生も、異文化交流を通じて、グローバルな視野の重要性を学び、海外の友人を得ることができました。両大学にとって、今後も継続して国際交流を推進する良い機会となり、このような機会を提供してくださったJSTさくらサイエンスプログラムに感謝申し上げます。