2023年度 活動レポート 第186号:北海道札幌啓成高等学校

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第186号 (Aコース)

インド、マレーシアの高校生との科学技術交流
~北海道インターナショナルサイエンスフェアでの共同研究発表を目指して~

北海道札幌啓成高等学校からの報告

 今年度は、本校SSHプログラムの連携校であるインドCity Montessori School Gomti Nagar Campus II(以下CMS)から生徒5名、教員1名、マレーシアAll Saints Secondary School(以下ASS)から生徒3名、教員1名を招へいしました。 今回の招へいの目的は、北海道大学、酪農学園大学での先端研究訪問とSSH重点枠「北海道インターナショナルサイエンスフェア(以下HISF)」での共同発表です。

 インドCMSの生徒とは本校のSSH重点枠事業「国際共同研究アカデミー」で本校および国内連携校の生徒と2023年4月から共同課題研究を行った生徒を招へいしました。また、マレーシアASSとは、2018年から交流を続けており、今年度はSSH基礎枠「海外研修」(2024年1月7~14日)で学校に訪問しました。両校の生徒とも、事前研修、オンラインミーティングを通して、本校の生徒と共同で研究を行ってきました。その成果をHISFで共同発表することが今回の招へいの大きな目的です。

【1月29日】

 インドCMSの生徒、教員が啓成高校に到着しました。オリエンテーションの後、生徒はホストファミリーと対面し、ホームステイ先に移動しました。マレーシアASSの生徒、教員は夜遅くに到着したため、この日はホテル泊となりました。

【1月30日】

 招へい者全員で北海道大学に訪問しました。はじめて、「冬」、「雪」を体験する生徒がほとんどだったので、大学への道中も彼らに取って非常に興味深いものとなりました。午前中は北海道大学総合博物館で、理学、工学の展示物を中心に、北野一平助教授からレクチャーをしていただきながら見学しました。午後は、北海道大学大学院理学研究院の上野貢生教授、吉田紘行教授、木村敦教授の研究室を訪問し、化学、生物、物理の先端研究を体験しました。
 啓成高校に帰着後、マレーシアの生徒もホストファミリーと対面し、ホームステイを開始しました。

活動レポート写真1
午前は北海道大学総合博物館を訪問し、様々な骨格標本、岩石標本など様々展示物を観察しながら北野一平助教授に講義いただきました。(北海道大学にて)

【1月31日】

 午前中は、啓成高校で、日本の高校の授業を体験しました。家庭科の授業では、日本の伝統文化である風呂敷の使い方を啓成高校の生徒と学びました。午後は酪農学園大学に訪問し、キュー・イーホン研究員と𠮷中厚裕教授からGISの概論とその活用についての講義を受けました。地図アプリのような身近な技術の成り立ちから、化学分野での応用まで、実習やディスカッションしながら学習しました。

【2月1日】

 本校のHISF1日目「サイエンスチャレンジ」に参加しました。北海道内の様々な参加校の生徒とグループを作り、英語を使って知恵を出し合いながら70cmの幅に架ける橋を割り箸で制作し、どれくらいの重さに耐えられるか強度を競いました。競技終了後、本校生とマレーシアASSの生徒による「海洋プラスチック問題についての共同発表」、本校生徒とインドCMSの生徒による「蛍光体」についての国際共同課題研究の発表を行いました。

活動レポート写真2
マレーシア・オールセインツ高校の生徒と啓成高校とのプラスチック問題に関する共同研究発表の様子です。(北海道インターナショナルサイエンスフェアにて)
活動レポート写真3
ポスターセッションでインドCMSの生徒がプレゼンテーションしているところです

【2月2日】

 HISF2日目「ポスターセッション」に参加しました。自身の課題研究を発表するだけでなく、北海道内の様々な高校の生徒の英語発表を聞き、質問しました。また、午後からはパネルディスカッションにも参加し、インド、マレーシアのプラスチック問題の現状についてコメントしました。

【2月3日】

 ホストファミリーの生徒と札幌市円山動物園を巡検しました。吹雪の中ではありましたが、ゾウ舎やヒグマ舎など様々な動物、施設を見て回り、地元の動物園との違いや、動物園の役割について学びました。
 午後はホストファミリーと札幌市内を散策しました。

【2月4日】

 天候を心配していましたが、インド、マレーシアの招へい者全員は無事出国し、帰国の途につきました。

 招へいした生徒、先生方、また、ホストファミリーを含めた我々にとっても非常に濃密な1週間となりました。科学交流、文化交流を通じて本校の生徒達にとっても海外を身近に感じ、多文化共生を考えるきっかけになったと思います。このような貴重な機会を与えてくださったさくらサイエンスプログラムに心よりお礼申し上げます。