2023年度 活動レポート 第181号:明海大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第181号 (Aコース)

歯科衛生士の高齢者摂食嚥下リハビリテーションと医科歯科連携のプログラムの体験

明海大学保健医療学部口腔保健学科からの報告

 明海大学保健医療学部口腔保健学科では、2023年12月17日~12月23日に「歯科衛生士の高齢者摂食嚥下リハビリテーションと医科歯科連携のプログラムの体験」をテーマにA.科学技術体験コースのプログラムを実施しました。檀国大学校歯衛生学科(韓国)の学部生・大学院生6名と引率の教授が来日し、摂食嚥下リハビリテーションに関わる講義・実習や学生とのディスカッション等に参加しました。また、国立がん研究センター中央病院や姉妹校である朝日大学、歯科機器のショールームなどを訪問し、日本の歯科衛生士の役割について学びを深めました。

【12月18日】

 オリエンテーションや本学部の実習設備の見学を行った後、株式会社モリタのショールーム「東京デンタルプラザ」を訪問しました。韓国でも馴染みの深い日本の歯科用器材や口腔ケアグッズをご紹介いただいたり、デンタルユニットの操作やVRの体験をしたりしました。また、日本科学未来館を訪問し、日本の様々な科学技術に触れました。

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【12月19日】

 本学部が有する調理設備にて、「口から食べる機能」が低下した方に向けた「嚥下調整食」の調理実習を行いました。韓国では歯科衛生士が食事に関わる実習を行う機会がほとんどないため、高い関心を持って熱心に取り組んでいただきました。調理した食事を実際に試食し、必要な口腔機能や「生涯口から食べることを支援する」歯科衛生士の役割について、ディスカッションを行いました。
 その後、明海大学坂戸キャンパス(埼玉県坂戸市)へ場所を移し、明海大学歯学部付属明海大学病院の見学や歯科教育用患者ロボットシミュレーションシステムSIMROID®の体験などを行いました。

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【12月20日】

 学び創出システム・マナボット(MANABOT®−F)を用いた鼻腔・咽頭吸引実習を行いました。鼻腔からの吸引を行うのは初めての体験であり、みなさん緊張の面持ちでしたが、本学部の学生と協力しながら熱心に取り組んでいただきました。模型での実習の後は、研修生自身が患者役となり、本学教員による鼻腔・咽頭吸引も体験しました。
 また、昼食を兼ねて、宮田 淳理事長、中嶌 裕学長や藤内 祝学部長、本学教員との意見交換会を行い、食事を楽しみながら和やかな雰囲気で交流を行いました。
 その後、国立がん研究センター中央病院を訪問し、日本の医科歯科連携(特に周術期等口腔機能管理)に関する研修を行いました。がん患者に関わるチーム医療の一員としての歯科医療従事者の役割について、講義や病院見学を通じて学びを深めることができました。

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【12月21日】

 イヤーマフや特殊な眼鏡、手足の拘縮器具などを装着して高齢者の心理的・身体的状態を体験する「高齢者体験実習」を行いました。階段の上り下りや折り鶴作成などを通じて、加齢による身体的な変化や気持ちを知ることができました。
 講義終了後に、藤内祝学部長より修了証を授与し、姉妹校である朝日大学(岐阜県)に向かいました。

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 朝日大学では、朝日大学歯科衛生士専門学校の学生とお互いの歯科衛生士教育についてのディスカッションや口腔衛生管理実習を行いました。夜には、教職員が集う懇親会に出席し、研修生が檀国大学校の歯衛生学科についてのプレゼンテーションを行いました。

【12月22日】

 朝日大学病院の歯科口腔外科および朝日大学医科歯科医療センターを訪問し、摂食嚥下機能のスクリーニング検査や精密検査(VE・VF)を見学しました。また、朝日大学がコメダ珈琲と共同開発したとろみ付きコーヒーの試飲も行いました。

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【12月23日】

 1週間の研修を終え、無事に中部国際空港から帰国しました。

 研修生からは、「この研修を通じて、日本の超高齢社会における口腔健康管理の現状を学び、今後韓国の歯科衛生士が担うべき役割について考える貴重な時間となった」との感想をいただきました。世界に先駆けて高齢社会に突入した我が国の口腔健康管理に関する様々な経験やエビデンスを、今後もこのような機会を通じて韓国での歯科衛生活動に寄与していく使命を果たしていきたいと考えています。

 この場をお借りして、本学さくらサイエンスプログラムにご協力いただきましたみなさまに心より感謝申し上げます。

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