2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第169号 (Aコース)
社会の発展に寄与できる人材育成を目指した日・越高校生 科学技術交流
芝浦工業大学柏中学高等学校からの報告
2024年2月9日~14日の6日間、さくらサイエンスプログラムを通してベトナムFPT高校の生徒9名および引率教員1名を受け入れました。プログラムでは、本校にて本校生徒との共同研究およびSSH共同探究発表会での発表、交流、芝浦工業大学での座談会、(株)高見沢サイバネティクス、北総鉄道(株)への訪問などを中心に多くの研修を行いました。昨年からオンラインを通して共同研究を重ねてきた日越双方の高校生同士が実際に対面し交流を重ねながら、さらにお互いの親睦を深めることができました。
【2月9日】生徒交流
ベトナム・ハノイノイバイ国際空港から、成田国際空港へFPT高校の皆さんが元気よく到着しました。重いスーツケースを持ちながら日本のラッシュアワーを体験し、芝浦工業大学柏高校へ到着しました。到着後に校長と対面したのち共同研究を一緒に行っている本校生徒と合流。次の日のSSH探究発表会に向けて準備を行いました。午後には本校生徒と一緒に授業に参加し、書道体験なども行いました。
【2月10日】SSH探究発表会での発表
メインイベントである本校主催のSSH探究発表会。参加者300名以上の参加者や東京大学の鍵先生などの指導助言者の方々をお招きし、盛大に発表会が行われました。開会式では開会の辞の後、壇上にてFPT高校の皆さんの紹介が行われ、FPT高校生徒のHoang Kim Nganさんが代表としてスピーチを行いました。開会式が終わるといよいよ本校生徒と一緒に英語での共同研究発表です。昨年まではオンラインで行っていましたが今年は対面でできることもあり、生徒たちは緊張しながらも一生懸命に各グループの発表を行っていました。参加者の方々からの質問にも積極的に対応し、今までの成果を存分に発揮できたと思います。
【2月11日】鉄道博物館及び日本科学未来館見学
「日本の鉄道に関する最新技術を学ぶ」ことを目的として、その第一歩として大宮にある鉄道博物館を訪問しました。そこで鉄道の歴史や実際の様々な車両を見学しながら、少しずつ鉄道に触れてもらいました。ベトナムはまだまだ鉄道が発達しておらず、バイクが多く使われている国であり、非常に興味を持って見学をしていました。また本校の生徒も随行し、交流を深めながら見学を行うことができました。また午後はお台場にある日本科学未来館を訪問し、実際に様々な体験を通して物理化学分野を中心に学習しました。午後も引き続き本校生徒と行動をともにし、英語を通して楽しみながら科学に触れることができました。
【2月12日】芝浦工業大学豊洲キャンパスでの留学生とのディスカッションと国立科学博物館見学
芝浦工業大学を訪問し、同じベトナムのハノイ工科大学から芝浦工業大学へ留学している大学生2名との交流をしました。どうして日本を選んだのか、現在どのような勉強・研究をしているのか、日本とベトナムの文化の違いなどについて、スライドなどを使用しながらベトナム語と英語を通して熱心にお話をしていただけました。またFPT高校の生徒たちも母国から留学して学んでいる同世代の先輩のお話を聞くことができ、将来や日本について一層理解を深めることができました。午後は上野の国立科学博物館を訪問し、各自の興味関心のある分野や自然科学について体験を通して学ぶことができました。
【2月13日】株式会社高見沢サイバネティクス 訪問
長野県佐久平市にある、株式会社高見沢サイバネティクスを訪問しました。同社は駅に設置されている切符販売機を初め、ホームドア、ICカード発券機など鉄道と関連が深い企業であるとともに、1つ1つ丁寧にハンドメイドによる受注生産を行っています。会社へ到着すると常務の方をはじめ社員の皆さんから暖かくお出迎えをいただき、会社概要や佐久平市についての説明をいただきました。FPT高校の生徒たちは興味深くお話を聞くとともに長野の自然に触れることができ、初めて見る雪にも興奮していました。説明後はいよいよ工場見学です。工場に入ると働いていらっしゃる皆さんが起立をして高校生を出迎えてくれ、「日本人のホスピタリティーはすごい」というくらい、感銘を受けていました。工場では発券機の中でのコインの選別方法、顔認証による最新のゲートの開閉などを見学し、驚きの連続でした。また屋外では実寸大の電車の模型やプラットホームを使用したホームゲートのテスト、開閉の仕組みなどを見学し、実際にドアを動かす体験などを通してより身近な機械の中の最新技術に触れることができました。ある生徒は「ここで働きたい」「日本の会社で働くためには何を勉強したらいいのか」など非常に好奇心を掻き立てられた様子でした。
【2月14日】北総鉄道株式会社訪問
千葉県にある北総鉄道株式会社を訪問しました。ここでは最寄りの駅からFPT高校の生徒のために特別に回送列車を運行していただき、車両基地見学を行いました。基地では車輪の削正作業、洗車、点検の様子を見学させていただきました。また車内アナウンスを体験させていただくこともでき、「This train is bound for Vietnam. It takes about 2 hours.」と楽しみながらアナウンスをしていました。1人の高校生は「日本の製品は安全で質が高いと言われる理由を垣間見ることができた」と感想を述べていました。またこちらでも車両基地を案内してくださった皆さんの温かいおもてなしに触れることができ、「また日本に来たい」と多くの生徒が感想を述べていました。