2023年度 活動レポート 第166号:電気通信大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第166号 (Aコース)

電気通信大学−SAARC諸国先端科学技術シンポジウム参加および関連交流

電気通信大学 大学院情報理工学研究科
教授 宮本洋子さんからの報告

 電気通信大学では、2023年12月5日から10日まで、インド(ハイデラバード大学、インド工科大学ヴァーラーナシー校、インド宇宙科学技術大学院、インド工科大学カラグプール校)およびパキスタン(カエデアザム大学、パンジャブ情報技術大学、カラチ大学、ハザラ大学)より大学院学生8名、教員2名を招へいし、学術交流を実施しました。

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本学正門にて

 本学とハイデラバード大学は15年以上にわたる研究協力の実績があり、2022年にはインド工科大学ヴァーラーナシー校とも学術交流の協定を結んでいます。またカエデアザム大学とも研究者間の交流が続いています。これらを背景に2022年12月に第1回電気通信大学−SAARC諸国先端科学技術シンポジウムをオンラインで行いました。本プログラムは2023年12月にハイブリッド方式で開催する第2回のシンポジウムにインドおよびパキスタンの学生・教員に本学で現地参加してもらい、交流を進めることを目的としました。

 来日前の11月30日にオンライン・イベントを行いました。このイベントでは主として日本到着から本学に来学するまでの流れを説明し、合流が円滑に進むよう可能な参加者はカメラオンにして「顔合わせ」を行いました。日本到着は12月5日で、特にパキスタンからの参加者は夜遅い到着でしたが、おかげで問題なく宿泊施設まで案内することができました。

 12月6日はいよいよ本学初訪問です。午前中はまず、シンポジウムで発表する本学側の学生や、プログラムの運営を行う学生スタッフとの顔合わせを行いました。午後はシンポジウムが開催され、最初に本学国際戦略推進室長・理事による挨拶と国費留学生や次世代研究者挑戦的研究プログラムについての本学の取り組みの紹介がありました。学術講演は6日および7日の午後に行われ、「量子技術」「量子シミュレーション」「光源開発とその応用」「計測、センシング、イメージング」「ナノデバイスとその応用」「人工知能・機械学習」の6分野について、本学教員および本プログラムで来学されたNaik先生(インド宇宙科学技術大学院)とSaif先生(カエデアザム大学)の講演がありました。本学教育DXシステムの一部として導入されたモバイルハイブリッド配信システムが活躍しました。
 学生による発表は6日にポスタープレビューの口頭発表の後、7日午前中に本学図書館のAGORAの施設を活用してポスター発表を行い、本プログラムの招へい学生8名、留学生を含む本学学生4名が発表して討論を行いました。6日の夕方には意見交換会も開催され、本学国際教育センター長によるこれまでの交流の経緯の紹介の後、さらに親睦を深めました。

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シンポジウム(Naik先生の講演)

 8日から9日の午前中は学内の研究室見学を行いました。シンポジウムでの講演に関連した研究室を訪問して、理解を深めました。また本プログラムには「フリープラン」として、招へい学生の希望によってアレンジした研究室を見学する仕組みがあります。招へい学生全員が「フリープラン」による見学を行い、学生によっては博士後期課程での留学やポスドクの応募についての相談を行っていました。
 9日午後は文化体験として、近隣の深大寺を訪問し、白鳳仏の見学を行いました。日本における仏教のあり方について学んだり、付近の土産物屋で年越しの縁起物を見たり、科学技術とは異なる観点から日本について学んでもらうことができました。文化体験の後は本学に戻って修了式を行い、翌10日はインドおよびパキスタンそれぞれ飛行機の時間に合わせて空港に移動し、帰路に着きました。

 12月14日にはフォローアップのオンライン・イベントを行いました。修了式およびオンライン・イベントで招へい者の感想を聞くことができましたが、みなさん口をそろえて日本に実際に来ることができてとてもよかったということでした。特に研究内容だけでなく、イベントがどのように運営されているか、研究室の設備や仕組みがどのように整えられているかなどが興味深かったようです。今後も同様のイベントをぜひ続けて欲しいということでした。既に再来日の相談が始まっている学生もいて、再会がたいへん楽しみです。

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深大寺にて