2023年度 活動レポート 第156号:神戸大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第156号 (Aコース)

東アジアのアブラナ科野菜の安定生産を可能にする分子育種技術の研修

神戸大学大学院農学研究科
准教授 藤本龍さんからの報告

 JST「さくらサイエンスプログラム」の支援により、2024年1月21日から同年1月27日までの7日間、科学技術体験コース「東アジアのアブラナ科野菜の安定生産を可能にする分子育種技術の研修」を実施しました。中国河南省の河南省農家院、鄭州大学、河南農業大学、河南科技学院から研究者3名、教員1名と大学院生6名、合計10名が参加しました。

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農学部玄関前にて

【1月22日】

 オリエンテーションを行いました。白井康仁農学研究科長への挨拶、農学研究科の紹介、そして、学術交流協定の締結を含めた今後の国際交流の発展性について話をしました。午後は、神戸大学大学院農学科園芸植物繁殖学研究室の大学院生5名と学部生2名、中国の参加者から大学院生6名がそれぞれの研究内容について英語で発表し、学術交流を行いました。今回英語で初めて発表する学生もおり、両国の大学院生は皆とても緊張していましたが、上手に英語で発表することができました。

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研究内容紹介(神戸大学)の風景

【1月23日】

 園芸植物繁殖学研究室にて、DNAメチル化解析の手法の勉強と実験講習を行いました。中国からの参加者は、DNAメチル化の研究は今まで行ったことがないため、熱心に話を聞いていました。実験の空き時間を利用して、神戸大学のキャンパス見学、神戸大学大学院農学研究科園芸植物繁殖学研究室の実験設備や圃場の見学を行いました。神戸大学の大学院生が、これらの作業をサポートしてくれ、英語で積極的に会話をしていました。中国に帰国後、すぐに今回学習した実験を大学院生6名が実施したと連絡をもらいました。

【1月24日】

 午前中は、藤本龍准教授が園芸植物繁殖学研究室の今までの研究内容について紹介しました。また、同研究室の研究員のHasan Mehraj博士が、自身の研究内容について紹介しました。午後は、国内の種苗会社から、研究者を神戸大学に招へいして交流機会を設け、日中のアブラナ科野菜育種についての情報交換を行いました。さらに、中国の参加者から教員3名が学術講演会を行いました。本講演会はオンサイト(対面)とオンライン(Zoom)のハイブリッド形式で実施し、学内の参加者だけでなく、学外からも30名近い参加者がありました。講演内容について、活発な議論が行われました。学術講演会の後は、意見交換会を行い、学術面だけでなく、文化面での交流も行い、日中の学生の距離が一気に縮まりました。また、神戸大学のキャンパスから見える夜景を堪能することができました。

【1月25日】

 午前中にヒストン修飾解析の手法を勉強し、午後は仙台に向かいました。仙台市は中国の作家・魯迅のゆかりの地として有名な都市であることから、仙台には特別な思いがあるということを熱弁していました。

【1月26日】

 午前中は片平キャンパスにある東北大学大学院生命科学研究科植物分子育種学研究室を訪問し、研究室やガラス室の見学を行いました。ガラス室には、様々なアブラナ科植物が育てられており、中には、中国の訪問者が扱っていない種の植物もあり、とても興味を示して観察していました。また、片平キャンパスには、「魯迅像」や、魯迅が授業を受けていた場所である「階段教室」があり、それらを見学させていただきました。午後は、東北大学大学院農学研究科植物遺伝育種学研究室を訪問し、研究室やガラス室の見学を行いました。また、生命科学研究科の高田美信博士、農学研究科の山本雅也准教授と2名の博士課程後期の学生による研究紹介が行われました。そして、プログラムをすべて完了後、東北大学大学院農学研究科にて、修了証を授与しました。

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アブラナ科植物の見学風景(東北大学)
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修了証の授与