2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第154号 (Aコース)
有機機能性材料の開発に関する共同研究
岡山大学異分野基礎科学研究所
教授 西原康師さんからの報告
本プログラムでは、令和6年1月28日-2月2までの7日間、中国の西安交通大学の教員7名、大学院生3名および学部学生3名を岡山大学異分野基礎科学研究所へ招へいし、同テーマの共同セミナーを開催することにより、将来、当該分野で世界的に活躍できる人材の育成を目的とした。また、岡山大学の特色ある研究を実際に体験してもらい、岡山大学大学院自然科学研究科の博士前期課程および後期課程の大学院生として入学してもらうことも目的の1つである。
【専門科目の講義】
到着後、二日目の午前、講義室で専門的な講義「有機金属化合物を用いるクロスカップリング反応」を英語により実施した。
【実験】
有機合成化学、特に、有機合成反応開発および有機機能性材料の開発に関わる実験として、2010年のノーベル化学賞の受賞対象となった「クロスカップリング反応」をおこなった。6名の学生を3つの班に分け、実験の手順だけを英語で記した紙を各人に配布し、薬品を測り取るところから、生成物の精製まですべて何の助言を受けることもなく実行できた。3つの班のうち、最も収率および純度が高かった班を発表し称えた。
【共同セミナー】
3日目の終日、両校の学部学生および大学院生(中国側:6名、日本側:6名)および、教員(中国側:5名、日本側:4名)が現在行っている、有機材料科学の研究に関して発表を行う共同セミナーを実施した。加えて聴衆が発表学生に対して質問し、研究の内容について活発に討論した。
【キャンパス内訪問】
岡山大学津島キャンパス内、岡山大学理学部建物内を見学した後に、関係者全員で記念写真を撮った。
【県外の放射光施設見学】
4日目終日:借り上げバスに乗り、兵庫県にある放射光施設「Spring−8」を見学した。本プログラムに参画した招へい者は、全員英語でのコミュニケーション能力に長けていたため、専門的な内容にも理解を示し、活発に説明を聞き入っていた。
【文化体験(岡山県倉敷市美観地区)】
文化体験として岡山県倉敷市美観地区を訪問し、旧倉敷レーヨン(現クラレ)の工場跡地を見学した。参加者は、倉敷市の歴史や繊維産業について学習した。
本プログラムで招へいした学部学生や大学院生は、将来、国外の大学院へ進学する可能性が高い。岡山大学の博士後期課程の学生として、是非戻って来てほしいという、沈建仁岡山大学異分野基礎科学研究所長の閉会の辞で本プログラムが成功裏に終了した。