2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第150号 (Aコース)
工学系研究室における先端技術体験と印日産業における人材交流
東京都市大学 理工学部 医用工学科
教授 京相雅樹さんからの報告
2023年12月3日から12月9日の7日間の日程で、本学と連携協定を結んでいるインドタミル・ナードゥ州のタンジャブールにあるサストラ大学より、9名の学生と1名の教員、1名の国際関係担当スタッフを招いてプログラムを実施しました。一行は12月3日におよそ24時間かけて鉄路、空路、バスを乗り継いでホテルに到着しました。翌日午前からプログラムが開始されましたが、図1に示すように長旅の疲れも見せずに最初のプログラムである外部ダンスに参加していただいておりました。
大学が展開する国際プログラムの内容、留学生受け入れサポートの紹介を含め、大学の紹介を行った後、午後からはあらかじめ提示していただいていた興味のある分野に沿って配属を決定しておいた6つの研究室に分かれ、情報工学、材料工学、医用工学といった異なる分野の研究に関連する活動を開始しました。図2は医用工学の研究室でデータ解析を行っている様子です。参加者は指導の教員、関連する研究に従事する学生とディスカッションしながら研究の体験を行いました。
プログラム2日目には、技術的な体験プログラムの他に、日本で活躍しておられるインド出身の技術者の方に登壇いただく講演と懇談の会を開催しました。来日のきっかけ、日本での体験談を含めてお話しいただきました。講演者の方は特に、日本の高い技術ときめ細やかで行き届いた配慮について、熱弁を振るっておられました。図3は講演の様子で、参加者は熱心に講演に耳を傾けており、また多くの質疑応答が交わされ、大変有意義な会となりました。
このプログラムの参加者のほとんどは来日が初めてということもあり、日本の文化を知ってもらうための学外散策を勧めました。この内容はもともとプログラムにも組み込んでおりましたが、特に東京の町並み、鉄道、地下鉄のシステム、そして食文化に大変興味をそそられたようでしたので、研究室の学生さんにもお願いし、技術体験と並行する形で学外散策を行っていただきました。食に関して制限のある参加者にとっては、少々気を遣う点あったようですが、研究室の学生らと東京の街を楽しんだようでした。図4はお台場のフードコートでランチを楽しんでいる様子です。
プログラム最終日には、成果発表会を実施しました。図5は情報工学のテーマに取り組んだ学生による発表の様子です。取り組んだテーマごとに、一人または二人ずつプレゼンテーションを行いましたが、研究室で取り組んだ結果を報告するだけでなく、関係する知識についてもまとめられており、技術的な内容に関する参加者の関心の高さがうかがえました。また学外散策の結果についても報告してもらいましたが、町並み、鉄道システム、食など、それぞれ異なる視点で興味を持った事柄を報告しており、その点でも参加者にとっては実りあるプログラムになったのではないかと考えています。発表会終了後には、修了式を行い、参加者は学長から修了証書とさくらサイエンスメンバーのバッジを受け取りました。そして学内のカフェにてお別れパーティを行ってプログラムは終了しました。今回のプログラムでは、7日間のプログラムのうち、移動に丸2日をかけていただくことになりましたが、参加者からは満足した旨の感想を頂き、十分な成果は上げられたのではないかと感じています。