2023年度 活動レポート 第147号:立命館慶祥中学校・高等学校

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第147号 (Aコース)

シンガポール・日本の高校生による国際共同課題研究と国際理解

立命館慶祥中学校・高等学校からの報告

【NJCの北海道訪問】

 2023年11月28日~12月2日の日程で、National Junior College(シンガポール)が立命館慶祥高校(北海道・江別市)を訪れ、共同課題研究や大学の研究室訪問などを通して国際交流を行いました。

1.共同研究

 この国際共同課題研究では慶祥の生徒3名とNJCの生徒3名による6名1チームを2チーム組み、実施しました。

 11/29午前と30午前・午後に、慶祥高校の生物実験室でNJCとの課題研究を進めました。1つのチームは、キノコによるプラスチックの分解がテーマです。今回のNJCの訪問では試料の一部を取り出してプラスチックがキノコにより分解されている状況を確認し、残りの試料の解析方法について検討しました。
 もう1つのチームは、廃棄食材を活用したバイオプラスチックの合成がテーマです。NJCのチームメイトとこれまでの成果を検討し、バイオプラスチックの合成における廃棄野菜の食物繊維の効果的な活用に的を絞り今後の検証作業について確認しました。

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慶祥高校生物室にて共同研究に取り組む様子
2.研究室訪問

 11/29午後は、北海道大学低温科学研究所で南極に関する研究室訪問を行いました。
 杉山慎教授の南極雪氷と青木茂准教授の南極海に関する講義に続き、実地調査や分析機器などの実物を見ながら大学院生から説明を受けました。
 12/1午後は、ホクレン総合農業研究所本館の研究所を訪問しました。
 北海道の農産物について、品種改良や商品価値を高める技術開発、人手不足を解決するAI活用の農業機器の自動化、食の安全に欠かせない化学分析などの説明をいただきました。

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北海道大学低温科学研究所にて講師、TAとともに
3.校外ツアー

 11/28午前に新千歳空港に到着したNJC一行は、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターを訪問し、渡り鳥の中継地としてラムサール条約に登録湿地されたウトナイ湖を視察しました。
 12/1午前は、札幌オリンピックミュージアムを訪れ、1972年の札幌冬季オリンピックや国内外のスキージャンパーで競われる大倉山シャンツェのスタート地点にある展望室までリフトで上がり、そこから見下ろすジャンプ台のスケールの大きさを体感しました。

4.慶祥との生徒交流

1)授業見学

 11/30の3時間目に、共同研究の合間を縫って1年I組の歴史総合と2年B組の数学Ⅱの授業を見学しました。

2)部活動体験見学

 11/30の放課後は、部活動の茶道部と競技かるた部を見学しました。茶道部では、NJCの皆さんはお茶を点て茶菓子とともにいただく体験を通して、畳敷きの和風の茶の間で茶の世界を堪能していました。競技かるた部では、百人一首競技のデモンストレーションを見学したあと、かるた部員がこの日のために作ったABC…の頭文字カードを使った「かるた」の体験をして楽しい時間を過ごしてもらいました。

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部活動紹介(茶道部)でNJCの皆さんがお茶を点てる様子
5.北海道文化体験

 11/29夕方は北大低温研究所から大通まで雪道や地下歩行空間を歩き、大通で行われているウインターイルミネーションとクリスマス市を見物し、NJCの皆さんに冬季の北国の雰囲気を味わってもらいました。
 12/1夕方はさっぽろビール園にてFarewell ceremonyを行いました。シンガポールでは多様な宗教があり、食について制約が多いのですがハラル対応のラム肉なので安心して北海道の郷土料理であるジンギスカンを堪能してもらえました。

【SNSを利用した研究発表】

6.国際発表

 2024年1月27日にICRF、1月30日にSTaRの国際発表に参加し、共同研究をしているNJCとともに英語で研究成果を発表しました。

1)International Collaborative Research Fair 2024(ICRF)

 日本と海外の高校が国際共同で行う研究の発表会です。全員が個別のZoom参加で行われました。慶祥もNJCと行った共同研究の成果をZoomで発表しました。

2)STaR Symposium

 NJC校内の研究発表会です。慶祥の生徒は、グループごとのZoom参加で現地のNJCグループメンバーとともに共同研究の成果について15分の発表を2回繰り返し行いました。

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STaR SymposiumにZoom参加している2つのグループ(手前と教室奥)