2023年度 活動レポート 第142号:新潟大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第142号 (Bコース)

環境・エネルギーに関する国際共同研究へ向けた研究体験交流

新潟大学からの報告

 2023年11月6日から11月26日まで、インドのインド工科大学ヴァーラーナシー校から博士課程の大学院生4名と若手教員2名を「環境・エネルギーに関する国際共同研究へ向けた研究体験交流」をテーマに共同研究活動コース(Bコース)で招へいしました。

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工学部長からの挨拶

 来日翌日の11月7日から大学での研究交流を開始し、活動初日には、招へい者各自の研究内容についてプレゼンを行った後、本学関係者との意見交換会を行いました。

 3日目からは、それぞれの招へい者の分野に近い次の3つの研究室に分かれて、基礎的な体験実験を開始しました。

  1. 太陽熱エネルギー利用に関する研究:太陽光発電用の熱化学エネルギー貯蔵システムの検討、太陽燃料製造用の流動床反応器のCFD-DEMモデリング
  2. 太陽光発電有機デバイスの研究:フレキシブル有機太陽電池の作製と評価、ナノ構造有機太陽電池の作製と評価
  3. 光波干渉計による超精密加工部品の非接触計測:太陽電池パネル(モジュール)の表面粗さや屈折率の測定、太陽熱によって発生する熱歪み量の測定に関する検討

 日本への渡航前に実施したオンライン交流で、受入教員の研究紹介を行ったことから、日本で実験を行うための下準備をインドで行ってきている招へい者もおり、測定試料の作製、光学測定や表面形状測定をはじめとして短い期間で効率よく進めることができました。例えば②の太陽光発電有機デバイスの実験では、有機デバイスの高効率化に有用である表面プラズモン励起電界増強効果についてインドで行ったシミュレーションに基づいて受入教員の研究室でサンプルを作製し、その光学特性の実験結果と比較検討を行うことで試料構造の最適化につなげる試みも行われていました。

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実験の様子

 研究交流では、本学の受入研究室に所属する学生が、招へい者の実験を補助する形で活動に参加しましたが、それ以外の食事や観光など日常的な活動なども一緒に行うことで、両国・両大学への理解を相互に深めるとともに、友情を育むことができました。

 また、研究交流の他に日本や新潟の地域文化体験も計画し、5日目には新潟市内の文化施設を訪問しました。訪問した北方文化博物館では、館内スタッフの方から英語で説明をしていただき、新潟の豪農の住まいや歴史、美しい庭園等を満喫しました。続いて訪れた新潟ふるさと村で新潟の文化と食を体験しましたが、中でも初めて見る雪の体験に驚く姿が印象的でした。

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囲炉裏を囲んでの集合写真
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雪国体験

 新潟での活動の最終日には、成果報告会を開催し、招へい者全員が研究室で行った体験実験について成果と、今後の共同研究の可能性についての検討結果をスライドにまとめ、それぞれ発表を行い、修了証が授与されました。

 本研究交流を通して、分野の近い本学の教員と招へい若手教員の間で今後の共同研究の可能性についてディスカッションを行い、現在、国際共同研究契約の締結に向けて具体的に協議が進むなどの成果を上げることができました。これを機に、新潟大学工学部とインド工科大学ヴァーラーナシー校との環境・エネルギー分野における共同研究基盤構築がさらに前進するよう、今後も交流を継続していく所存です。

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修了証を手に記念撮影

 最後に、本プログラム実施にあたり、JSTさくらサイエンスプログラムおよびご協力いただいた皆様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。