2023年度 活動レポート 第141号:長岡技術科学大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第141号 (Bコース)

生命と技術:SDG9で世界を牽引するハブ大学としての国際共同研究の深化

長岡技術科学大学からの報告

【概要】

 長岡技術科学大学は、さくらサイエンスプログラムのB.共同研究活動コースに採択され、ハノイ工科大学、ダナン大学工科大学、ベトナム国家農業大学から学生9名と教員1名を、2023年11月に3週間受け入れました。ベトナム学生達は、7研究室に分かれて、日本人学生と共に研究に従事し、週末には近郊で文化体験をしました。

【経緯】

 一昨年度(2021年12月-2022年1月)のさくらサイエンス・オンラインプログラム、昨年度(2022年11月)の招へいプログラムで、ベトナムの3大学の学生と国際共同研究を目指した交流をし、大変に好評でした。そこで本年度も、この三大学とのさらなる共同研究の深化を目指して交流しました。

【テーマとオンライン交流】

 本学は、世界で17大学だけが任命されているSDGs牽引大学「SDGsハブ大学」です。SDGsハブ大学としては東アジアで唯一、それも2期連続で、国連からSDG9「産業と技術革新の基盤を作ろう」(https://tgu.mext.go.jp/news/2021/05/004931.html)の世界拠点として任命されています。この強みを生かし、近年の発展が目覚ましく本学との交流実績が豊富なベトナムの理工系の3大学と共同研究を模索するため、昨年度のテーマを継承しつつ、「生命と技術:SDG9で世界を牽引するハブ大学としての国際共同研究の深化」としました。そして、SDGsに関する本学バイオ技術のうち、昨年度からの継続シーズ6つ、新規シーズ3つを設定し、その中から興味ある分野を先方に選んでもらい、招へい候補の学生を交えてオンライン交流をしました(2023年9月)。その結果、7つの研究分野(発酵科学、環境生物化学、応用植物工学、植物エピジェネティクス工学、システム幹細胞工学、糖鎖生命工学、環境共生材料機能工学)で進めることとなりました。

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研究室での実験風景

【訪問】

 9名の学生と1名の教員は、2023年11月5日に長岡に到着しました。翌日は、本学で毎年開かれている国際学会「STI−GIGAKU」に参加し、ポスター発表しました。その翌日から、ガイダンス、大学・研究紹介、安全講習の後に、各研究室に分かれて研究を始めました。
 教員だけでなく、本学の学生もTA(ティーチングアシスタント)として参加し、共に研究をし、食事に行き、週末には遠足に行きました。このTAによる異文化コミュニケーションを通じて、本学の学生も異なる価値観や環境の相手との交流の難しさ、大事さを学びました。
 そして、研究成果を含む3週間の体験をまとめ、最終日には発表会も行いました。この発表会はハイブリッド方式で行い、今後の研究交流に向けてベトナムの大学へも同時配信し、盛んな質疑応答がされました。

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長岡技術科学大学主催の国際会議(STI−GIGAKU)でのポスター発表にて

【文化交流】

 日本文化や新潟県長岡市という土地を知ってもらうため、週末(土曜日)には、長岡市内・近郊へと旅行に行きました。長岡は、縄文時代の昔から信濃川の流域に広がる豊かな田園地帯です。そこで、お米などの農産物を用いた発酵食品の生産街(摂田屋)、紅葉のきれいな庭園(ベトナムでは紅葉はあまり一般的ではない)、日本三大花火と称される花火大会を体験できる道の駅・ながおか花火館などを訪問しました。本学に入学したベトナム人留学生との交流会も開き、正規学生として日本へ留学することの具体的イメージを持ってもらいました。

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醸造の街の摂田屋にて

 アンケートの結果では、参加者全員が大変満足したことがわかりました。迎える側としてもいろいろと大変でしたが、満足してもらい良かったです。今回の交流をきっかけに、共同研究や、学生交流、遠隔授業などの話も出ておりますので、より一層、交流を深めていきたいと思います。

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本学のベトナム留学生とさくらサイエンス学生の交流会