2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第139号 (Cコース)
材料工学における環境・エネルギー分野の知識およびその実践的な活用技術・能力を習得するワークショップ
芝浦工業大学からの報告
【プログラム概要】
本プログラムでは、芝浦工業大学(以下、SIT)が下記海外4大学の学生を日本に招へいし、実践的な学習を通じて、持続可能な開発を推進し公正な世界を形成する変革的能力を強化していくことを目的としている。持続可能な開発目標(SDGs)に焦点を当てたワークショップや各招へい大学教員による講義に加え、招へい者にSITでの研究や研究施設を紹介、また日本文化に触れる機会も提供し、それぞれの自国文化の価値観を発信・共有する場にもなった。
- インド工科大学マドラス校(IITM)
- インド情報・設計・生産技術大学カンチープラム校(IIITDM)
- マレーシアプトラ大学(UPT)
- マレーシア大学トレンガヌ校(UMT)
【スケジュール】
- 12月1日
- 来日
- 12月2日
- オリエンテーション・キャンパスツアー・文化体験
- 12月3日
- 招へい大学教員による講義・研究室ワークショップ
- 12月4日
- 招へい大学教員による講義・研究室ワークショップ
- 12月5日
- 本学大学教員による講義・研究室ワークショップ
- 12月6日
- 招へい大学教員による講義・研究室ワークショップ
- 12月7日
- 山梨県立リニア見学センター訪問
- 12月8日
- レポート作成・発表準備
- 12月9日
- 最終発表会・意見交換会
- 12月10日
- 帰国
【オリエンテーション・キャンパスツアー・文化体験】
オリエンテーションでは、異文化交流を促進する本プログラムの重要性に加え、国際的なパートナーシップによる潜在的な利点や、より良い世界のための持続可能な解決策を育む上での役割について議論した。さらにSIT学生によるキャンパスツアーを実施し、本学の実験室や図書館、各研究室などの施設の紹介が行われた。また、文化体験として、浴衣試着のワークショップおよび浅草寺、東京タワーなど、東京の象徴的なランドマークを訪れ、日本文化を体験する機会となった。
【先端素材に関する研究室ワークショップ】
招へい大学およびSITの学生が、それぞれの研究と持続可能性への影響を紹介するワークショップを行った。超伝導体の多様な応用、持続可能な開発に貢献するダイヤモンド業界の革新的な手法、量子コンピューティング、マイクロエレクトロニクスの持続可能な発展などの発表が行われ、それぞれ活発なディスカッションが行われた。
【山梨県立リニア見学センター訪問】
見学施設として、山梨県立リニア見学センターを訪問した。この見学センターでは、次世代の高速鉄道と言われる超電導リニアに関する、リニア中央新幹線の模型や本物の部品、その他各種展示がされている。参加者は見学を通して、超電導技術の社会転用への理解を深めた。また東京から山梨へ向かうバス路は、東京都心の景色から郊外へ景色への移り変わりを目にする機会となり、参加者が楽しんでいる様子がうかがえた。
【最終発表会】
研究室ワークショップでは、プログラム全体を通して学んだ知識に関する内容の総括に加え、持続可能な開発目標4(SDG4-すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する)にフォーカスした議論も行われた。参加者は5つのグループに分かれ、現在の教育・研究システムにおける課題とその解決策をブレインストーミングし、課題に対する効果的な解決方法や、効率的な教育・研究方法の提案などに取り組み、発表が行われた。最終発表後、参加者全員に参加証書が授与され、最も優れた提案と認められた上位2グループには賞品が贈られた。
最後に、招へい者が、SITでのプログラムで得た文化的経験や学んだ知識・感想を共有した。感想の中には、日本文化に対する関心の高さや日本の最先端技術に感銘を受けたといったものが多くみられた。
本プログラムは、昨年度に引き続き、今年度も無事に実施することができた。ご支援いただいた、さくらサイエンスプログラムの関係者の方々に厚くお礼申し上げます。