2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第133号 (Aコース)
人間生活・伝統コミュニティ・先端技術の調和の探求
昭和女子大学からの報告
昭和女子大学 人間社会学部 現代教養学科では、2022年度に引き続き、2023年12月16日から12月22日までの1週間、ブータン王立大学(Royal University of Bhutan)から学生8名と引率教員2名、計10名を短期招へいするプログラムを実施しました。
12月16日、招へい者を成田空港で出迎えた後、宿泊先のホステルがある渋谷へバスで移動し、少し休憩を取った後、現代教養学科の学生3名が引率役となり、渋谷エリアのフィールドツアーを行いました。最初は緊張した面持ちだった招へい者たちでしたが、初めて訪れる東京のビル群、雑踏や喧噪に、徐々に興奮が高まってきているようでした。
2日目は、ブータンの建国記念日を祝うイベント「ブータンデー2023」に参加しました。このイベントは、日本ブータン友好協会が毎年実施しているもので、昨年に続いて、今年も同協会との共催という形で催行しました。当日は、午前中の三軒茶屋エリアのエクスカーション、午後の座談会と交流会、そして、夜の祝賀パーティと、一日を通して様々な企画が行われました。日本在住のブータン人やブータンに縁のある日本人にも沢山ご参加いただき、ともにブータンの記念日を祝うことができました。
3日目となる12月18日は、原宿・浅草ツアーを実施しました。午前中はまず、明治神宮を訪問しましたが、日本の伝統文化が現在の暮らしとどのように結びついているのか、興味深く観察している姿が印象的でした。その後、原宿エリアでのショッピング・昼食を経て、午後は浅草を訪問しました。ここでも、浅草寺や仲見世通りの賑わいを通して、今に息づく日本の伝統を肌で感じている様子がうかがえました。
4日目は、午前中に現代教養学科1年生必修授業である「地域をみる目」に、招へい者のみなさんにも参加してもらい、ブータンを対象とするケーススタディを行いました。受講生には、事前にブータンを題材にした映画を鑑賞してもらった上で、当日は、ブータンのみなさんに聞いてみたい質問を出してもらいました。質問に対して流暢な英語で回答するブータンの学生を見て、受講生たちは大いに感銘を受けていた様子でした。
5日目、現代教養学科3年生とともに、「言語の壁を越えて協働する」をテーマに、国際ワークショップを行いました。あえて言語を使わないコミュニケーションや最先端の翻訳技術を活用したコミュニケーションなど、言語の壁があったとしても伝えたいことを伝え合う体験を通じて、コミュニケーションの本質とはなにか、学びを深めてもらうことができました。その後、茶道体験、日本の昔遊び体験を通じた異文化交流会を経て、意見交換会・歓迎会を行い、懇親を深めました。
6日目、午前中はお茶の水にあるデジタルハリウッド大学を訪問し、最先端のテクノロジーを活用したコンテンツ開発の現場を見せていただくことができました。モーションキャプチャー技術の体験では、自身の動きがリアルタイムで3D化されて動く姿に興奮冷めやらぬ様子でした。その後、昭和女子大学へ戻り、午後は「情報文化論」という授業を、現代教養学科の受講生とともに受講しました。
そして最終日、最後の自由時間を過ごし、帰国の準備を整えた上で、成果報告会・修了式に臨みました。一人一人が、この1週間の滞在で得た学びについて、それぞれ身振り手振りを交えてスピーチを行ってくれました。最後に、学科長から招へい者全員に修了証を手渡し、すべてのプログラムを終えました。
今年度も、継続してブータン王立大学との交流が実現し、招へい者のみならず、昭和女子大学の学生、そして教員にとっても、得難い機会を得ることができました。昨年度から引き続き、受け入れ準備から奮闘してくれた学生もおり、「いつかブータンに行ってみたい」と話してくれました。この交流プログラムを通じて、ブータンが、名前くらいしか知らない国から、現実に訪れてみたい国へと、印象が大きく変化したようで、そのことが国際交流の何よりの成果であるように感じました。
最後に、本プログラム実施にあたり、ご支援いただいた「さくらサイエンスプログラム」、ご協力をいただいた学内外のみなさまに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。