2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第123号 (Aコース)
大連交通大学とのさくらサイエンスプログラム
PBLを通じて実用的なプログラミング能力の向上を図る
東京都市大学からの報告
2023年11月12日~18日、大連交通大学外国語学院とさくらサイエンスプログラム「A.科学技術体験コース」を実施した。
大連交通大学とは包括交流協定のもと「さくらサイエンスプログラム」をその開始時からオンライン実施を含め、途切れることなく実施してきた。大連交通大学外国語学院からは毎年5名の交換留学生が1年間、本学情報工学部情報科学科に在籍して学んでいて、また、その交換留学生やさくらサイエンスプログラム参加者から本学大学院への進学者もいる。そのような交流実績のもと、さらなる2つの組織の交流強化を図るため、外国語学院と情報科学科間で本年度もさくらサイエンスプログラムを実施した。
招へい学生は自大学でソフトウェアを学んでいるが、特に、ソフトウェアを使った実用については十分に学んでいない。そこで、本プログラムの目的を、実用的な課題を課したPBLを通じて、招へい学生に「自らのソフトウェア能力の向上を図る」ことと「専門の課題解決能力の礎を築くこと」とした。
招へい学生は9名であったが、来日前に情報科学科の各研究室の研究内容の紹介を行い、予め自らの興味のある研究室を選択してもらった。来日後は、選択した研究室でPBLに取り組んでもらった。本学の情報科学科はコンピュータのハードウェアとソフトウェア、メディア処理、画像処理、音声処置、数値解析、自動制御等、広範な情報科学/工学分野の実用・応用研究をカバーにしているため、招へい学生の多様な希望に応えることができたことが成果に結び付いたと考えている。そして、今回は情報科学科の7つの研究室(知識情報処理、応用数理、自動制御、計算機ソフトウェア、画像工学、視覚メディア、コンピュータシステム)に9名の招へい学生が分かれて配属された。
それぞれの研究室では研究室に所属している大学院生を中心に学部生を含めた多くの学生が招へい学生のPBLの支援を行う形態になっていて、自然と学生間の交流が図れる仕掛けになっている。1日のPBL活動終了後、本学の学生が招へい学生を食事に誘うことや、渋谷などのスポットを案内することなど、課外的な交流を深めるケースもあったようだ。
帰国前日には、このプログラムに関わってくれた本学の学生、教員が参加して成果報告会を開催した。研究室でのPBLは三日半程度の短期間ではあったが、それを思わせない報告会となった。各自が各自の研究の背景・目的を明確化した上で結果・検討が報告され、オーガナイズされた発表となった。自校では学んだことのない学問内容に触れた招へい学生も少なくなく、全ての招へい学生が日本滞在中にPBLをとても頑張ってくれたことが伝わってきた。
大連交通大学とはさくらサイエンスプログラム以外の交流も多いが、このプログラムが交流の核になっていると言える。このプログラムの参加者がその後、本学の大学院に進学したり、他の交流行事に参加したりする例も多い。来年度以降もさくらサイエンスプログラムを有効利用し、両校の交流発展を図っていきたい。