2023年度 活動レポート 第116号:九州工業大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第116号 (Cコース)

スピントロニクスデバイス技術に関する研修

九州工業大学大学院
情報工学研究院物理情報工学研究系
教授 福間康裕さんからの報告

 九州工業大学は、令和5年12月10日から12月19日までの10日間、さくらサイエンスプログラムにより、Indian Institute of Technology Kanpur(教員1名、大学院生2名)、Amity University(大学院生2名)、Godavari Institute of Engineering & Technology(教員1名、大学院生2名)、Motilal Nehru National Institute of Technology Allahabad(大学院生2名)から合計10名を招へいし、科学技術研修を実施した。

 本学はインドのIndian Institute of Technology Kanpurとの大学間協定、本学情報工学部はインドのAmity Universityとの部局間協定を締結し、学術研究および教育交流を実施している。このために、さらなる国際協定の拡充や学生・教員間交流を活発化させることを本プログラムの目的とした。

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 本プログラムの特徴は、最先端のデバイス研究環境(大学連携研究設備ネットワークや学内共同研究設備)を活用して電子素子作製から電気・磁気的特性評価までの一貫した実習を行っている点である。アジア諸国において、経済発展と共に科学技術は進展しているものの最先端の作製技術および評価技術を有する研究機関は極めて限られている。日本の恵まれた研究環境とものづくりを体験することで、海外から優秀な若手人材の流入が期待される。

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クリーンルーム内でのデバイス作製の実習
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デバイスの電気的特性評価の実習

 具体的な研修内容は、(1)参加者の研究内容紹介、(2)クリーンルーム内での微細加工実習、(3)加工した試料の電気・磁気的特性計測実習、(4)最終報告会を中心として、受け入れ側日本人学生と海外招へい者が主体的な活動を通して互いの意思疎通を積極的に図るようにしている。全10日間の日程を下記に示す。

12月10日 インドからの招へい者が福岡空港に到着
12月11日 オリエンテーションおよび参加者の研究紹介、懇親会
12月12日 参加教員によるセミナー
12月13日 クリーンルームにてデバイス作製の実習
12月14日 スピンホール効果や磁化反転特性評価実習
12月15日 山口大学工学部のクリーンルーム見学・共同研究の打ち合わせ
12月16日 広島平和記念資料館を見学
12月17日 大阪観光
12月18日 最終報告会
12月19日 福岡空港から帰国

 学生同士は日常、教育研究、文化・慣習、観光など多岐にわたり幅広い交流を行った。短い期間であるが、海外招へい者は先端の実験機器を実際に取り扱い、試料作製から特性評価までの技術研修を行った。今後の共同研究への積極的な議論も行うことができ、本さくらサイエンスプログラムは受け入れ・送り出し研究機関の双方に有益な活動を実施することができた。

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大阪城にて