2023年度 活動レポート 第107号:横浜国立大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第107号 (Aコース)

現代社会に応用される数理科学

横浜国立大学大学院環境情報研究院
教授 野間淳さんからの報告

 2023年12月17日~23日に、横浜国立大学大学院環境情報研究院(以下、本学)はさくらサイエンスプログラムの支援をうけ、学術交流協定校であるタイのプリンスオブソンクラ大学(以下 PSU)から、学部学生9人と教員1名を受け入れ、「現代社会に応用される数理科学」を開催いたしました。
 本学には数学・数理科学を専門とし、基礎理論から応用までをにらんだ研究を行う教員が何人も所属しています。本活動の目的は、最先端の研究を行っている本学の状況を伝え、さらなる国際交流につなげることです。

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講義の様子

【初日】

 開講式で、プログラム全体の進め方を説明した後、大学院TAによる自己紹介を行いました。TAは、各自1枚のスライドを準備してきて、自分の好きなもの、好きなこと、日本や横浜の魅力などについてアピールしてくれました。これで、参加者の緊張感もほぐれました。つづいて本学の中本教員による講義とその演習を体験してもらい、夜には今後の進め方についてまた相互の大学の教育研究活動についての意見交換会を行いました。これら初日の活動を通じ、参加者同士が打ち解けていきました。

【2、3日目】

 本学4名(中本教員、原下教員、瀬川教員、小関教員、野間)による講義とその内容に沿った演習が行われました。演習には最終発表のテーマになる課題も含まれています。PSUの参加者にとって初めて接する内容が多かったのですが、担当者の工夫により、演習を通じてPSU参加者同士やTAとの積極的な議論が見られました。和気あいあいとした雰囲気で、活発な演習ができました。その様子には本学の学生TAも感心したようで、自分から「わからない箇所がないか」と話しかけるなど積極的な交流を行うようになりました。

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演習の様子

【4日目】

 講義と演習・発表の合間を縫って、日本の科学技術の見学のため、川崎にある東芝未来館とお台場の日本科学未来館を訪問しました。展示物を熱心に見学し、有意義に過ごせました。

【5日目】

 今回の講義と演習で提示された演習の解答や研究テーマを中心に、滞在中に学んだことの発表会を行いました。PSU学生は発表に先立って、自己紹介を行い、好きなこと・好きな食べ物・日本で印象に残るものなどを写真で紹介しました。このプログラムで学んだことについての発表は、準備時間がそれほどなかったにも関わらず、どの学生も単に課題としてあげられていた問題を解くだけでなく、どのように発表するかという点を考えて工夫して発表していました。

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発表会の様子

 今回の講義内容は普段ふれることのない数学の話題が多く、大変興味を持ったようで、「是非また日本で学んでみたい」と言う学生もいるなど、存分に楽しんでいました。最後に、参加証を授与してこのプログラムは閉講となりました。

 閉講式の後、本学学生がパーティを企画し、お好み焼きとたこ焼きを楽しみました。どちらも自分で作ることが必要なので、PSUの参加者は美味しいものを作ろうと、また本学学生は作り方を伝えようそれぞれ頑張っていました。一緒に料理したり食事したりする中で、お互いに一層打ち解け合っていきました。

 今回の活動で、大学間や学生間で非常に濃い交流ができたと思います。中には、本学を再訪問したいというPSUの学生、逆にPSUを訪問したいという本学学生もいます。この活動を通じて良好な協力関係を深めることができ、今後の発展が大変楽しみです。
 このような国際交流の機会を提供していただけた「さくらサイエンスプログラム」と関係者の方々に深く感謝いたします。

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閉講式にて