2023年度 活動レポート 第101号:関西学院大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第101号 (Aコース)

インドネシアの学生が地球環境の分析と生体応答の評価を学ぶ

関西学院大学からの報告

 2023年10月25日から10月31日の7日間、関西学院大学生命環境学部は、さくらサイエンスプログラムによりインドネシアのパジャジャラン大学とウダヤナ大学から、学生8名、引率者2名の総勢10名を招へいし、科学技術体験コースのプログラムを実施しました。テーマは「地球環境の分析と生体応答の評価」です。

<10月25日>

 来日初日は、滞在中のスケジュールと注意事項のアナウンスを行い、2日目からの本格的なプログラムに備えました。

<10月26日>

 藤教授による特別実験「環境適応に関与するタンパク質の情報解析」が行われました。日本の輸入天然ゴムはインドネシアからのものが大半を占めていることから、今年度は天然ゴムの合成酵素を具体的な題材として、それらのアミノ酸配列からの機能部位予測や構造予測を実際にコンピュータを使って実習を行いました。コンピュータは藤教授の研究室のものを用い、生命情報科学の基本を学習しました。配列データベース検索についてはBLAST、 マルチプルアラインメントはmafft、立体構造のグラフィクス表示についてはPyMol、また立体構造予測についてはSwissModelとAlfaFoldの使い方を学びました。

<10月27日>

 午前は北條教授による特別実験「昆虫の微量生理活性物質の定量と活性評価」が行われました。アミメアリの集団採餌を題材として、アリから分泌される微量な化学物質の抽出とGCMSによる定性定量解析を行うとともに、フェロモンによる行列形成過程を観察することで、生理活性物質の活性を評価する手法を学びました。

活動レポート写真1
道しるべフェロモンによるアリの行列形成過程の観察

 午後は、水の分析についてのフィールド調査を行いました。pH測定やパックテストなどの分析を行い、データを取得。現場における水の分析の実際について学習しました。

活動レポート写真2
化学分析のためのフィールド調査の様子

<10月28日>

 午前は、壷井基裕教授による特別講義が行われました。水と環境、その分析法について学びました。午後は実験室において、水の化学分析についての実習を行いました。ビュレットやビーカーを使った基礎的な分析化学実験とともに最先端の装置を用いた機器分析についても体験しました。

活動レポート写真3
実験室における水の分析化学実験

<10月29日>

 日曜日である5日目を利用し、日本文化体験プログラムとして、本学教員3名と学生2名と共に、公共交通機関を利用した関西地区の移動経験、および箕面公園におけるお寺や滝の散策を実施し、日本の文化や自然に触れる機会を設けました。

<10月30日>

 午前にMeet the Experts(国際交流)、留学相談(理工学部留学生、教職員)日本、および本学への留学について具体的イメージをもってもらえるよう、本学留学生を交えて座談会、プログラム説明を行いました。
 午後に報告会"What We Learned at KG KSC"を実施しました。本プログラムの集大成として、今回のプログラムで学んだことを2チームにわかれて報告しました。参加者全員がプログラムを無事修了し、修了証書を授与されました。藤原教授による閉会の挨拶で、このプログラムの開催が今後の国際交流の始まりであることを共有しました。

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実習成果の報告会

<10月31日>

 早朝の便で参加者全員が無事に帰国しました。今回の訪問メンバーの中から関西学院大学へ留学する学生が現れる事を期待します。

活動レポート写真5
参加者全員での集合写真

 最後になりましたが、本プログラム実施に際して、多くの皆様にお力添えを頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。有難うございました。