2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第100号 (Aコース)
IETモンゴル高専と長岡高専との実践的ものづくり交流と先端技術視察
長岡工業高等専門学校からの報告
長岡工業高等専門学校(以下「長岡高専」と呼びます)は、令和5年12月4日から12月9日までの6日間、さくらサイエンスプランの交流事業を実施しました。今回のプログラムでは、IETモンゴル高専から学生9名と教員1名を招き入れました。以下に、本プログラムの実施内容を説明いたします。
1.実践的ものづくり交流
ものづくりを通じた交流事業としてモンゴル高専学生と長岡高専学生による混成チームを作り、LEGO Mindstormを用いたレスキューロボットの作製を行いました。災害発生時に、人が立ち入れない数多くの障害物が点在する場所に残された要救援者に見立てたオブジェを発見し、できるだけ多くの要救援者に救援物資を運ぶテーマに取り組みました。レスキューロボットは無線通信により手動操作できるようにし、小型のカメラを取り付けて要救援者がいるフィールドを探索することができるように、各チームが工夫を凝らして作製しました。また、競争するのではなくチーム同士で協力することで、あるチームは障害物を取り除くことに特化したロボットを作製したり、別のチームは要救助者に見立てたオブジェを回収することができるロボットを作製したりするなど、チーム内だけではなくチーム間での協力なども見られ、ものづくりを通じた活発なコミュニケーションが見て取れました。
2.企業視察
招へいプログラムの一環として、工場見学を行いました。一般にはハイテクノロジーが強調されがちですが、今の時代においても手作りで行われている「ものづくり」の全工程をIETモンゴル高専の学生たちに紹介することは意義深いと考え、三条市にある株式会社諏訪田製作所を訪問しました。諏訪田製作所では、業務用の爪切りの製作過程について説明を受けました。この工場見学を通じて、彼らが日本のものづくりに対して新たな印象を得たと思われます。
3.日本科学未来館、スカイツリーなどの見学
長岡高専でのプログラム終了後は、帰国の際の移動にあわせて、日本科学未来館やスカイツリーの見学を行いました。日本科学未来館では、1000万画素を超える高解像度で、宇宙に輝く地球の姿をリアルに映し出す日本科学未来館のシンボル展示物、Geo‑Cosmosに見入っていました。また老いパークでは、老化による目・耳・運動器・脳の変化を疑似体験していました。将来身近になるかもしれないサポート技術を、モンゴルの高専生自らが考え出してくれたら嬉しいです。スカイツリーでは地上から天望デッキ(第一展望台・高さ350m)を約50秒で結ぶ大容量・超高速のエレベータに乗り、その速さとあまりのスムーズさに感動していました。
このプログラムに参加したIETモンゴル高専生ならびに引率された先生は、日本の学生と交流でき、日本での生活を体験し、日本の今を理解することができたことに対して大変有意義であったとの感想を述べていました。最後に、このような貴重な機会を与えてくださいましたさくらサイエンスプログラムにお礼を申し上げます。