2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第089号 (Aコース)
バイオ関連実験と3Dプリンターによる計測器作製PBL体験プログラム
大阪工業大学からの報告
2023年8月27日から9月2日までの6泊7日で、台湾大同大学(TTU)の学生15名と引率教員2名の合計17名を大阪工業大学(OIT)に受け入れて国際PBLプログラムを実施した。
【初日】
OITの教員1名(宇戸教授)と学生数名が関西空港に迎えに行った。到着後直ぐにチャーターバスで大学の宿泊施設に移動し、21時30分頃にチェックインを済ませた。その後、OIT学生がTTUの学生達を宿泊施設周辺の飲食店に連れて行き晩御飯を食べた。
【2日目】
午前中に大阪工業大学のキャンパスを案内した。新しく改築されたばかりの新図書館、鳥人間工房、バイオものづくりセンターなどを見学した。そして午後からは5つの班に分かれてそれぞれ別々の実験を行った。OITの学生は学生実験の授業で経験したことがある内容なので、それをTTUの学生に説明して一緒に実験を行った。学生たちにとっては、英語で理解し伝える実践の場となった。17時に実験を終えて、放課後はOITの学生がTTUの学生を案内して親睦を深めていたようである。
【3日目】
梅田キャンパスに集合し、そこで昨日の実験結果の発表準備を行い、11時から英語で発表を行った。いずれの班も、上手にまとめて発表を行っていた。午後からは大阪の“地の利”を活かした文化体験プログラムとして、大阪メトロ(地下鉄・バス)の1日乗車券を使った「大阪ラリー」を行った。各班が自分たちでコースを決めて1日乗車券で大阪市内を巡った。学生同士で自由にプランを立てることが出来るが、指定された場所の前(大阪城、通天閣、など)でグループ写真を撮影するという制約を設けている。大阪の文化を学びながらコミュニケーション力が涵養されることが狙いであり、学生たちは楽しく参加していた。
【4日目】
チャーターバスで京都を訪れた。まず工場見学として伏見の黄桜酒造に行き、酒造りについて学んだ後、伏見稲荷大社で文化体験を行った。そして宇治に移動して平等院の見学を行った。人数制限がある平等院鳳凰堂の内部見学も行うことが出来た。TTUの学生達は日本の歴史・文化に触れることが出来、OITの学生はTTUの学生に英語で伝えることで自分自身も日本文化を学習するよい機会となった。17時に宿泊施設に戻った。
【5日目】
宿泊施設から近い大阪造幣局博物館で見学を行い、午後からは大阪工業大学で「3Dプリンターを使った吸光光度計の作製」に取り組んだ。5つの班に分かれて同じテーマに取り組むが、それぞれの班がそれぞれの工夫をして作製し性能の評価実験を行った。例えば光を遮蔽する筐体の製作においては、遮蔽性に加えて操作性も求められ、どの班もオリジナリティあふれる作品が出来上がった。5つの班が同じテーマに取り組んでいるが、実験結果の数値にも違いがみられ、測定装置を作る難しさを体感していた。
【6日目】
大宮キャンパスにて、昨日のPBLの発表の準備を行い、11時から英語でプレゼンテーションを行った。それぞれの班がそれぞれの工夫で装置の精度を高めていた。その後、学内の多目的ルームに移動し、意見交換会、プログラム修了証書の授与を行った。
【7日目】
最終日は、宿舎から直接チャーターバスで関西空港に移動した。OITの教員1名(外波准教授)と数名の学生が関西空港で見送った。TTUの学生15名、引率教員2名は全員無事に台湾に帰国することが出来た。
今回のプログラムに参加した学生は、8月6日から1週間、台湾で実施した国際PBLに参加したメンバーであり、2週間ぶりの再会であった。そのため初日から既に打ち解けた雰囲気で実施することが出来た。これは運営する上で大きな助けとなり、我々教員がOITとTTUの学生達の会話を促す必要は全くなかった。彼ら自身で自然にコミュニケーションをとってプログラムを遂行していたことは特筆すべき成果であると考える。来年以降も継続的に実施するべき、価値の高いプログラムであったと考える。
最後に、さくらサイエンスプログラムのご支援に心から感謝申し上げたい。このプログラムを通じて、大同大学と大阪工業大学の学術交流が今後も一層発展することは勿論、学生たちにとっては貴重な学びの機会となった。