2023年度 活動レポート 第88号:函館工業高等専門学校

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第088号 (Aコース)

2023年函館高専サマーキャンプの実施

函館工業高等専門学校
グローバルセンター長/教授 奥崎真理子さんからの報告

 8月20日から8月26日の間、モンゴルの高専から学生と教員を招へいし、海洋資源豊富な函館地域をフィールドに、「海洋」・「海産資源」をテーマとしたサマーキャンプを開催し、24名の学生(本校15名、新モンゴル高専3名、科技大高専3名、IETモンゴル高専3名)が参加しました。

 本プログラムは、海洋資源豊富な函館地域をフィールドとし、「海洋」・「海産資源」をテーマに、内陸国であるモンゴルの学生と函館高専の学生の柔軟な発想や想像力を掛け合わせることで、これまでにない発想やグローバルマインドを持ったエンジニアの育成を目的とし、日本人学生にとっては身近である「海洋」に対して、モンゴル学生の新しい視点を通して「気づき」を得られる機会となるよう実施しました。

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参加者全員で記念撮影

 事前研修として、実施したオンラインミーティングでは、参加者の自己紹介とスケジュールやワークショップの説明を行いました。また、事前課題として、モンゴル学生が海洋に関して知りたいこと、調査したいことを発表するとし、本プロジェクト実施までに交流を深めました。

【初日】

 夜、招へい学生・教員の皆さんが無事に函館空港へ降り立ち、サマーキャンプがスタートしました。まずは宿泊施設で旅館とサマーキャンプ中の生活全般についての宿泊オリエンテーションを行ったのち、宿泊者全員が集まったところで、歓迎挨拶と宿泊学生全員の自己紹介を行いました。

【2日目】

 午前中に実施したオリエンテーションでは、スケジュールやワークショップの説明と、参加者の自己紹介を行い、アイスブレイク(マシュマロチャレンジ)を実施して参加者同士の交流を促進させる工夫を取り入れました。午後からはフィールドワークとして、ワークショップのテーマと関連がある函館市青函連絡船記念館摩周丸、市場等をグループごとに見学しました。参加者は、公共交通機関を利用して移動することで、実際に函館の街を歩き、函館の文化を感じながら、参加者同士の交流を深めることができました。

【3日目】

 海洋・海産物に関する講演会として、北海道教育大学教育学部函館校・松浦先生を講師として迎え、「イカ墨の高度利用開発について」をテーマにご講演いただきました。参加者からは、多くの質問があり、興味・関心の高さが伺えました。

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講演会の様子(「イカ墨の高度利用開発」講師:北海道教育大学函館校・松浦俊彦教授)

【4日目】

 函館どつく株式会社函館造船所と函館市国際水産・海洋総合研究センターを見学しました。函館どつく株式会社函館造船所では、造船の様子を見学し、その行程等を説明いただきました。参加者が写真撮影する際には、撮影ポイントをアドバイスいただくなど、丁寧に対応していただきました。また、函館市国際水産・海洋総合研究センターでは、施設見学およびキングサーモンの解剖体験をしました。はじめて魚に触る参加者もおり、貴重な体験となりました。

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造船所(函館どつく株式会社)見学の様子
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函館市国際水産・海洋総合研究センターでのキングサーモン解剖体験の様子

【5日目】

 遊漁船に乗船し、イカ釣りを行いました。猛暑日であったため、乗船時間を短縮しての実施となりましたが、参加者の数名はイカを釣ることができ、釣ったイカの試食体験も行うこともできました。イカ釣り後は、最終日プレゼンに備えたグループワークを実施し、それぞれのグループが有意義な議論・交流をしていました。日本人参加学生たちにとっては、この非日常体験が、今後の英語学習と国際交流を行う機運を高める良い刺激になったようです。

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遊漁船乗船の様子

【6日目】

 事前研修で調べたことに加え、日本に来て新たに知った・体験したことをプレゼンするまとめの日となりました。モンゴル人学生は慣れない日本語での発表に苦戦しながらも、仲良くなった日本人学生と楽しく連携し、ワークショップ学習の成果が発揮された素晴らしい内容となりました。日本人学生は、モンゴル人学生の英語力・語学力の高さに驚きながらも、大いに自己啓発され、新しい視点、国際交流の楽しさ・難しさを実感していたようでした。

 6日間という短い期間ではあるものの、プレゼン発表の終わりには涙を流し、お別れしたくない、また会おうと話し合っていました。本プロジェクトによる交流を通し、切磋琢磨することで、これからの未来を作っていってくることを願っています。