2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第087号 (Bコース)
Summer Research Program 2023
筑波大学からの報告
筑波大学は、長年にわたる国際交流プログラムの一環として、東南アジア、南米、アフリカをはじめとする多様な国々の協定校や研究機関と密接な関係を築き上げてきました。本プログラムにより、これらの地域から選ばれた10名の優秀な学生が筑波大学に特別招待され、学術的な交流を深める機会を得ました。本プログラムは特に、オミクス解析技術やゲノム編集技術の急速な進化を、感染症や生活習慣病、悪性疾患などのグローバルヘルスの課題に応用し、派遣元の機関と共に「若手人材の発掘と育成」および「共同研究の推進」を目指し、国際的な研究体制の構築と人材育成に貢献しています。
今年7月に筑波大学が開催した「Summer Research Program Online」は、10日間にわたる医学医療系の研究に特化したプログラムであり、15の研究室が参加しました。このプログラムでは、教員たちはオンデマンド型のビデオ講義を通じて、自身のキャリアや研究科学者を目指した動機、各研究分野の最新トレンドや課題、自分たちの研究目的と目標を紹介しました。参加者はこれらの講義を視聴した後、教員から出された課題に対する回答を提出し、その後、各研究室のメンバーと直接ライブディスカッションを行いました。このプログラムには、筑波大学の協定校を中心に、バーレーン、バングラデシュ、ブラジル、コロンビア、エジプト、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、ミャンマー、シンガポール、台湾、タイ、ベトナムなど、アジア、ヨーロッパ、中東、南米、アフリカを含む16カ国から237名が登録しました。これらの参加者は、教員や大学院生との活発な討論を通じて、国際的な研究コミュニティの一員としての経験を深めました。プログラムを完了した164名の学生は、成果として修了証を授与されました。
オンライン交流を通じて、ブラジル、ベトナム、インドネシア、エジプトの大学から選ばれた10名の学生が、研究室とのマッチングを経て受け入れられました。このプログラムは10月9日から19日間にわたり実施され、開始2ヶ月前から受入れ研究室の教員と学生間の連携が始まり、実践的な研究計画の準備を行いました。参加学生たちは感染症、生活習慣病、悪性疾患、睡眠科学といった分野で世界トップレベルの研究手法を学び、実験技術やデータ解析能力を向上させると共に、科学的思考力を養いました。彼らはそれぞれの研究テーマに基づいてプロジェクトを進め、研究計画の立案から成果発表までのプロセスを経験しました。このプログラムを通じて、参加学生たちは将来の研究者としての基盤を確立し、日本の大学院への進学や研究者としてのキャリアを目指す道を開くことができました。
さらに、このプログラムでは、学術的な学びと同時に、文化交流活動も積極的に行われました。筑波山登山やJAXA見学など、本学の学生が主導する様々な活動を通じて、参加学生間の国際的な友情と理解が深まりました。これらの体験は、参加学生間の絆を強化し、筑波大学の学生たちの国際意識を高める貴重な機会となりました。また、日本の自然や科学技術の進歩を直接体験することで、異文化理解の促進にも寄与しました。プログラムの最終日には、筑波大学和太鼓サークルによる迫力のある和太鼓の実演が行われ、日本の伝統文化の美しさと力強さを参加者に伝えました。「Summer Research Program」を通じて、筑波大学の博士課程への進学を決める学生が増えています。このプログラムは、参加学生たちにとって、研究やキャリア形成において新たな可能性を見出すきっかけとなっており、国際的な視野を広げ、研究者としての一歩を踏み出しています。私たちはこの成功を基に、プログラムのさらなる充実を目指し、絶えず努力を続けています。