2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第086号 (Aコース)
日英サイエンスワークショップ2023
~英国と日本の高校生が福島県や東北大学で科学交流を実施~
福島県立福島高等学校からの報告
<概要と特色>
2023年7月29日から8月5日、日英サイエンスワークショップを開催しました。このワークショップは、2011年3月の東日本大震災以降、イギリスのクリフトン科学トラストと東北大学の協力を得て開始し、コロナ禍ではオンライン開催でしたが、今年度は再び英国の高校生を日本に招き、対面による交流を行いました。
このワークショップは、英国と日本の同世代の生徒との科学技術を通じた交流、議論、発表を通して、両国の生徒が科学技術系人材としてグローバルに活躍するための資質・能力を育成することを目的としています。英国の生徒25名(教員6名)と日本の高校生25名(教員10名)が参加し、科学を通じた協働活動や交流を行いました。例えば、東日本大震災や原子力発電所事故による被災地を訪問し、被災状況や復興に向けた取組を理解し、今後の科学技術や社会の在り方について考察して意見を交換し合いました。また、東北大学では研究室での共同研究活動を通じて、世界をリードする日本の科学技術力を理解し、将来、国際的に活躍する研究者としての資質・能力の育成を行いました。
参加高校:英国「Broxbourne School, County High School, Hartismere School, The Sele School, Wycombe Abbey」、日本「福島県立福島高等学校、福島県立安積高等学校、山形県立米沢興譲館高等学校、立教池袋高等学校、京都教育大学附属高等学校、京都聖母学院高等学校、東北大学「科学者の卵養成講座」を受講している高校生」
<福島フィールドワーク>
課題先進県と言われる福島県における福島フィールドワークでは、東日本大震災における自然災害や原子力発電所災害の状況やその復興について学びました。復興の過程で発生した課題は、今後、世界のどこでも課題となる可能性があるものです。このような課題を捉え、解決策を考え、互いの意見や考えを共有することで、課題解決のための能力など、多くの学びを得ることができました。
研修先:東日本大震災・伝承館、東京電力福島第一原子力発電所、アクアマリンふくしま
<東北大学・研究室研修>
東北大学では9つの班に分かれて研究室で共同研究活動を行いました。東北大学は科学技術分野において世界をリードする日本有数の大学です。この活動においては、日本の最先端研究への理解を深めるとともに、グローバルなコミュニケーションにより両国の高校生の視野を広め、科学技術が言語や文化の違いを超えて世界共通の話題になることを理解することができました。
研究活動を実施した研究室
- 災害科学国際研究所(自然災害の理解、災害遭遇時の対応等 2テーマ)
- 流体科学研究所(熱物質伝達の測定等)
- 材料科学高等研究所(電池部材、触媒の探索等、2テーマ)
- 大学院生命科学研究科(地球冷却微生物の探索等、2テーマ)
- 大学院理学研究科(環境放射線の測定と分析等)
- 大学院工学研究科(電気化学デバイスによる組織分析等)
<教員フォーラムの開催>
引率した両国の教員で互いに教育課題について発表し議論し合う教員フォーラムを開催しました。フォーラムではコロナ禍で苦労した点などを共有でき、有益な取り組みを共有する貴重な機会となりました。