2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第085号 (Aコース)
高齢社会におけるチームアプローチと最新科学技術の利用について学ぶ
~薬、理学療法、健康福祉分野の学科間連携プログラム~
高崎健康福祉大学からの報告
2023年10月15日から10月22日までの8日間、ベトナム・ホーチミン医科薬科大学学生10名を招へいし、科学技術交流プログラムを実施しました。チーム医療に関する講義や、各専攻に分かれての演習、施設訪問など盛りだくさんの内容でしたが、招へい者からの活発な質疑と熱心に学ぶ姿勢が大変印象的でした。
10月16日(2日目)
学内初日、招へい者全員がベトナムの民族衣装「アオザイ」を装い、華やかなウェルカムセレモニーとなりました。その後、日本の医療システムについての講義受講、招へい者によるベトナムの医療についての概要プレゼンテーションを行い、両国の医療制度の特徴や課題等について話合いました。ベトナムにおけるファミリードクター制についての議論等、活発な意見交換となりました。
10月17日(3日目)
学部学科、研究室紹介では、それぞれの専攻(薬学、公衆衛生、理学療法/作業療法)に分かれ、専門教育や研究について学びました。各学科の日本人学生と交流する機会もあり、緊張が一気に解けたようです。
10月18日(4日目)
「福祉・医療ロボットの開発と実用」をテーマとした講義では、ロボットと人間の役割の違いや人のロボットへの関わり方など、実例を交え開発者から講義頂きました。科学技術が日進月歩で発展していく中、それらを扱う我々人間の倫理観や、医療人として利用者に寄り添うことの大切さを考える機会となりました。
10月19日(5日目)
午前中は各学科に分かれ、講義演習を行いました。健康栄養学科では、糖尿病や腎臓病を患う方への栄養管理や食事指導について、食品交換表に照らし合わせながら実際に食品を選んだり、特殊食品(低たんぱくごはんやカレー等)を食べたりしながら授業が進められました。ベトナムにおける栄養学はまだ新しい分野で、招へい学生はまさにベトナム社会で必要な人材です。本学で使用している教科書が欲しい、この食品はベトナムからでもネットで買えるのかなど、専門性を深めたい、日本での学びをベトナムでも活かしたいという強い思いが伝わる一幕もありました。
10月20日(6日目)
自国の社会における科学技術導入と、チームアプローチの推進について、ケーススタディとグループディスカッションを行いました。患者のニーズを検討しながら、専門分野毎の役割、必要な支援等を発表しました。異なる専門分野の学生が共同で学び合う意義と重要性を知る経験をし、プログラムのまとめにふさわしい時間となりました。
学内で行った意見交換会、交流会では、プログラム中共に学び、学外でも食事や買い物などのサポートをしてくれた多くの日本人学生も参加しました。伝統衣装アオザイを纏っての招へい者の踊りは華やかで我々を魅了してくれ、また大学祭の花火や和太鼓演奏もあり盛会でした。
10月21日(7日目)
真面目で熱心に学ぶ招へい学生もこの日ばかりはリラックスし、日本人学生とバスに同乗して県内での文化体験と交流を楽しみました。紅葉が始まった里山を散策し、工芸体験では各々のセンスで思い思いの作品を作りました。
短期間のプログラムではありましたが、学術面はもちろんのこと、学内外の協力者の優しさに接し、また、学生との交友を深められたことが一番の思い出だとの招へい者の言葉は、受入れ準備を進めてきたスタッフや学生にとり大変嬉しいフィードバックでした。
今後も継続的な交流を通じ、それぞれの夢に向かって切磋琢磨していくことを願ってやみません。
本プログラム実施にあたり、尽力下さった全ての方々に深く感謝申し上げます。