2023年度 活動レポート 第84号:山形大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第084号 (Aコース)

Soft & Wetやわらか3Dの可能性を学ぶ

山形大学工学部からの報告

 2023年10月23日から10月29日まで、山形大学と大学間協定を結ぶ新モンゴル学園の新モンゴル工科大学から学部生9名と引率教員1名の計10名を工学部および理工学研究科・有機材料研究科のある米沢キャンパスに招へいしました。期間中は、「Soft & Wetやわらか3Dプリンターの新たな可能性」をテーマにSoft & Wet Matter Engineeringの古川英光教授(機械システム工学専攻)の研究室での活動を中心にプログラムを実施しました。

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古川研究室にて

 一行は23日午後、成田空港に到着。そこから山形大学工学部のある山形県米沢市まで特急や新幹線を乗り継ぎ数時間かけて移動し、夜、日が暮れてからの米沢到着となりました。
 キャンパス初日の午前は、キャンパスツアーやオリエンテーションを行いました。研究棟・講義棟・関連施設が並ぶキャンパスを歩きながら、迷わずに目指すところに行けるか戸惑いの言葉が聞かれました。在学する学生にはさほど広いとは思えないキャンパスですが、街中にコンパクトにまとまるモンゴルの同校とは異なる環境のようでした。

 昼には本学部に在籍するモンゴル人留学生も同席しての歓迎会が開かれました。本学部からは学部長が歓迎のあいさつを述べ、交流の機会が得られたことを喜びました。昼食後、近くの上杉神社を散策し日本文化に少し触れ、午後からはラボツアーを実施しました。化学・バイオ工学、建築・デザイン、機械システム工学の研究室を訪問し、各研究室で学ぶ留学生から研究紹介や日頃の授業の様子などの説明を受け、留学生生活の一端を垣間見ることができました。招へい者の興味関心は尽きず、研究内容について予定の時間を過ぎるほど興味深げに質問がなされ、研究室の教授から直接説明を受ける光景も見られました。

 3日目からは古川研究室でSoft & Wet Matter Engineeringについて基礎からじっくり学びました。まずは、研究室の3名の教員による基礎的講義を受講しました。装置の仕組みやこれまでの研究成果などについて動画や実物を通して学びました。また、院生が行っている研究についても発表を聴き、様々な物に活用されていることを知りました。さらに、装置のある部屋でプリンターが動く様子を見学したり、研究室の学生との協働作業による3Dプリンターの装置の組み立てにもチャレンジしたり、毎日多様なアプローチで理解を深めました。休憩時間には、同じ世代の若者らしくアニメの話や音楽の話で共通の話題に花が咲き、一気に親交が深まりました。モンゴルのお土産なども手渡し、互いに笑顔で会話を楽しむ時間をもつことができました。

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講義受講
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デモンストレーションによる学習

 そして、米沢キャンパスでの最終日には、関係教職員や、これまで一緒に過ごしてくれた研究室の学生が見守る中、モンゴルの学生目線で考えた3Dプリンターの新たな可能性について全員が個別に発表しました。ある学生はモンゴル特有の発酵乳を利用した保存食の製造、ある学生は個人に合わせたPCマウスやメガネの製造、住宅建設や機械部品の製造への応用など、環境や経費等も考慮した、ユニークな考えを次々と発表しました。発表会に参加した教員からは独創性のあるアイデアに賛辞とアドバイスが送られました。

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発表後の講評タイム

 また、研究室での活動以外には、学部2年生の英語の授業に参加し、モンゴルの歴史や文化を紹介する時間も持ちました。わざわざモンゴルから持参した伝統衣装を身にまとい、モンゴルらしさを演出しながら、モンゴル書道を紹介しました。そのおかげか、本学の学生もいつになく積極的に質問し、英語を用いて知りたい情報を得るといった実践的なコミュニケーション活動を楽しむことができました。

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英語の授業に参加してモンゴルの紹介

 帰国日前日には、東京に移動し、日本未来科学館を見学しました。さらに、今回は幸運なことに同時期に東京ビッグサイトで開催されていたジャパンモビリティショーの古川研究室の展示会場を訪れる機会も得ることができました。会場の巨大さと展示物のすばらしさに目を奪われながら、Food & Mobility会場では未来の食の展示を見学しました。研究室での研究がどのように我々の未来の社会へと結びついていくのかを知る非常に貴重な時間となりました。

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ジャパンモビリティショーFood & Mobility会場見学

 7日間という短い期間でしたが、多様な実体験を通し、これまでの日本についての印象を新たに塗り替えたものと思います。留学についての関心も高く、大学院などへの進学を期待したいところです。

 最後に、同校との本格的な交流の機会を与えていただいたJSTの皆様、並びに、ご支援・ご協力をいただいた多くの関係者の皆様に深く感謝申し上げます。