2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第070号 (Aコース)
海外の看護学生を招き、科学技術に基づく看護イノベーションプロジェクトの創出
~AIを活用したチーム医療によって地域に住む高齢者の安全・自立を支える~
高崎健康福祉大学からの報告
さくらサイエンスプログラムにて、2023年10月15日~10月22日、本学と学術協定を結んでいるタイ・タマサート大学から4名、ベトナム・ホーチミン医科薬科大学から4名、台湾・弘光科技大学から2名、計10名の看護学生を招へいし、研修を行いました。
7日間の研修期間中、高崎健康福祉大学看護学科をはじめ大学横断的に取り組んでいる地域に住む高齢者の安全・自立を支えるチーム医療に関する研究について集中講義を受講しました。また、ハイブリッドシミュレーターを用いた演習やイノベーションプロジェクトの創出をするためのグループワーク・プレゼンテーション、本学附属施設や関連医療施設の見学を行いました。さらに、フィールドトリップおよび大学祭への参加など、日本の文化にも触れ、在学生との交流を通じて日本人学生のみならず、他国の留学生たちとも交流を行いました。
初日は、歓迎セレモニーで大学の教職員を紹介し歓迎の意を表しました。キャンパスツアーでは、大学にある8つの校舎を案内し、研修期間中に大学内のアクセス方法を周知しました。また、特別講義にて日本の医療制度の特徴、保険の仕組みの概要を講義した後、日本、ベトナム、タイ、台湾の学生がプレゼンテーションを行い、4カ国・地域の特徴、利点欠点等について活発に意見を交わして、互いの国の保健医療制度について理解を深めました。
2日目からは、高崎健康福祉大学において、高齢者看護や遠隔医療におけるテレナーシングの構築、高齢者における日常生活動作の工夫やVRを用いた解剖学の視覚的な理解、看護におけるイノベーション的発想等の集中講義を受講しました。また、多職種連携ハイブリッドシミュレーターを用いて認知症、誤嚥性肺炎などのシナリオに合わせた看護ケア体験学習、高齢者特有の加齢に伴う五感に加えて、神経・筋骨格の反射機能など幅広く身体機能の低下に対する理解を深め、高齢者への看護支援による双方向の高齢者体験学習を行いました。さらに、病院や併設の介護老人保健施設にて、高齢者との関わりや転倒予防等について、認知症認定看護師の説明のもと学びました。6日目の金曜日は、イノベーションプロジェクトを発表し、研修の振り返りを経て、修了証を保健医療学部長より授与しました。
週末は、高崎健康福祉大学の大学祭にて花火、和太鼓の鑑賞、出店の食べ物を堪能し、みなかみ町で日本の伝統工芸に触れて、繭や和紙を使ったものづくりの文化体験をするとともに、在学生との親睦を深めることができました。
海外研修生は今回の研修を通して、高齢社会における高齢者の身体的機能の特徴に応じた看護の必要性に加えて、高齢者への精神的支援の大事さについても学習することができました。また、イノベーションプロジェクトを創出する過程で、課題発見力と課題解決能力を育み、自国社会の健康課題や医療事情における先端科学技術の導入を検討することで、国際共同研究を推進するきっかけに大いに貢献しました。
このようなきっかけを作っていただきました「さくらサイエンスプログラム」に深く感謝いたします。