2023年度 活動レポート 第62号:新潟大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第062号 (Cコース)

ものづくり技術に関する国際協働での研修を通じた分野融合視点とキャリアビジョン形成

新潟大学からの報告

 2023年8月20日~29日まで、メコン地域の協定締結大学(王立プノンペン大学(カンボジア)、ラオス国立大学(ラオス)、チュラロンコン大学(タイ)、ハノイ工科大学(ベトナム))から学生12名が来日して、新潟大学の学生13名と共に、「ものづくり技術に関する国際協働での研修を通じた分野融合視点とキャリアビジョン形成」をテーマに約10日間の国際協働プログラムを実施しました。

活動レポート写真1
ガイダンスでのアイスブレイク

 スケジュールの概要は以下のとおりです。

渡日前 オンラインガイダンス、Slackによるオンライン交流
8月20日 来日、オリエンテーション
8月21日 ガイダンス、アイスブレイク、活動内容理解のための事前学習GW
8月22日 燕三条地場産業振興センターおよび燕市産業史料館訪問、燕市産業に関する講義、訪問企業に関する調べ学習GW
8月23日 企業での課題解決型GW
8月24日 企業での課題解決型GW
8月25日 企業での課題解決型GW・成果発表・企業との意見交換会
8月26日 最終発表会に向けたプレゼン作成・発表練習のためのGW
燕市近郊での異文化交流活動
8月27日 最終発表会に向けたプレゼン作成・発表練習のためのGW
新潟市近郊での異文化交流活動
8月28日 最終成果発表会、新潟大学関係者との意見交換会、振り返り学習GW
8月29日 帰国
帰国後 事後学習(レポート、事後自己評価等)

 本プログラムでは、学年・分野・国籍混合の学生6人程度の小グループを組織し、新潟県燕市および近郊の企業の協力の下、課題解決型グループワーク(GW)を産学連携で行いました。
 具体的な取組課題として「燕産業・企業の発展の経緯や現状について、海外との関係性(国際展開や国際競争など)を踏まえて理解するとともに、将来の持続可能な発展に向けた課題とその解決策について提案すること」を目指し、学生達は対面での活動に加え、オンラインコミュニケーションツール(Slack)を用いた非同期でのディスカッションやコミュニケーションにより、グループワークを活発に進めました。

 課題解決型GWでは、各企業から学生グループに対して、「グローバル環境の改善について提案すること」を課題として与えられました。学生達は、企業での現場実習を通して、ものづくり技術の現状や、その技術を支える人材、特に外国人材の活用と課題について把握し、招へい者の自国のものづくり製造現場との比較を想起しながら、改善提案を行いました。特に、IT活用・デジタルトランスフォーメーション(DX)とグローバル化の関係性についても、訪問企業の社長のお考えに幾度となく触れる機会があり、これを受けて、学生グループからは、外国人に対する機器活用のための動画マニュアルをAI活用により翻訳・編集できるアプリを紹介するなど、現場実習を通して、学生・受入企業の双方がお互いの強みを生かして学び合いができる交流の機会となりました。

活動レポート写真2
燕市内の製造業等での現場実習

 企業現場での活動の最終日には、成果報告を行い、企業の方からのご意見を基に、最終発表会に向けてプレゼン内容をブラッシュアップしていきました。そして、最終発表会では、取りまとめた提案と課題について、英語でプレゼンし、午後には、プログラムで得た学びについて振り返り学習を行いました。参加した学生からは、英語コミュニケーションや異文化理解だけでなく、課題解決能力や国際協働力、分野融合的視点といった能力を向上することができたとの声が聞かれ、本プログラムの目的を達成することができたと感じています。

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修了証を手にした招へい学生

 本プログラムの実施においては、本学の日本人学生との共修形式を採用し、燕市を訪問して企業での実習や協働での課題解決に取り組みました。移動や食事等を伴うフィールドでの共修は、フォーマルな研修時間だけでなく、インフォーマルな交流が招へい者の日本文化の理解促進につながり、また、招へい者と本学学生との友情形成にも大いに寄与したものと思います。

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弥彦神社訪問による異文化交流活動

 最後に、JSTさくらサイエンスプログラム、公益社団法人つばめいと、並びに協力企業の皆様方から、本プログラム実施にあたり、多大なご支援とご協力を賜りました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。