2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第060号 (Aコース)
津波防災システムに関する国際プロジェクトを通じた大学院進学促進計画
福岡工業大学 学術支援機構国際連携室からの報告
福岡工業大学は、さくらサイエンスプログラムの採択を受け、10月16日~21日の6日間にわたり、青島科技大学(中国協定校)の4年生5名および引率者1名、魯東大学(中国)の学部生3名および引率者1名の計10名を招へいしました。「津波防災システムに関する国際プロジェクトを通じた大学院進学促進計画」をテーマとし、日本の先端科学技術および日本文化に触れながら、将来、日本への留学に繋がることを目的として実施されました。
6日間のプログラムは以下の通りです。
【Day1】10月16日
参加者10名が夕刻に来福。ほとんどの参加者は初来日のため、ホテルに案内した後、周辺を散策しました。皆が町の清潔さと日本人のマナーに感心していました。
【Day2】10月17日
午前の歓迎セレモニーでは倪副学長による歓迎の挨拶が行われ、本格的にプログラム活動が開始。プログラムの説明やオリエンテーション、参加学生の自己紹介がありました。続いて、在学生によるキャンパスツアー、歓迎ランチ会を行い、学生間の交流を深めました。午後には、参加者が本校の大谷理事長、村山学長への表敬訪問のほか、総合研究機構エレクトロニクス研究所、図書館、モノづくりセンターなどを見学しました。総合研究機構では最先端の技術に触れながら産学官連携の取り組みや地域貢献への意義についても学びました。また、今回のプログラム実施にあたり担当の盧教授による地震津波発生と計測に関する講義の後、内容をよく理解するために参加者に課題が出されました。最後に、本校の江口工学研究科長および鄭社会環境学研究科長による大学院の紹介もあり、参加者が熱心に耳を傾け ていました。多岐にわたる内容で充実の1日となりました。
【Day3】10月18日
学外見学を実施しました。午前、資生堂久留米工場にて見学を行い、IoT技術を取り入れた最先端の生産現場におけるプロジェクションマッピングを通して、資生堂のモノづくりについて学びました。また、ワークショップを通じて、化粧品に関する知識や品質について楽しみながら体験することが出来ました。
午後、学業の神様として全国的に有名な太宰府天満宮を案内した後、隣接している九州国立博物館を見学しました。いい天気に恵まれ、日本の文化・歴史を堪能しました。
【Day4】10月19日
全日、工学研究科電子情報工学専攻の盧教授による特別講義が行われました。午前は「津波の画像計測」、午後は「AI応用システムの構築」についての講義でした。また、「先端計測技術研究センター」において、本校の最先端研究プロジェクトである画像技術とレーダー技術を融合した津波計測および防災・減災システムの応用研究を見学しました。地震、津波に対する日本人の意識の高さや、科学技術を駆使した取り組みがいかに重要であるか、よりリアリティのある学びとなりました。最後に、在学中の留学生による大学院での研究、日本での生活についての紹介があり、質疑応答を通じて日本での留学生活に関する多くの情報を共有しました。
【Day5】10月20日
研究室訪問、発表会、課題提出および修了証授与式を行いました。研究室訪問の際に教員からは、研究内容のみならず、人生経験やキャリア形成等までお話しいただき、参加者にとって有益な機会となりました。そして、発表会では1人ずつこのプログラムに参加した感想について共有しました。また、担当盧教授が出された課題に取り組む事により津波防災システムに関する理解を深めました。参加者が有意義な6日間を過ごしたことを感じ取ることが出来ました。
夕方、意見交換会を行いました。今回のプログラムの参加者およびお世話になった先生方や在学生が参加しました。参加者は在学生と打ち解け、SNSの交換や日本の学生生活、アニメ、音楽などの趣味の話で盛り上がりました。
【Day6】10月21日
全ての日程を終えて中国へ帰国する際に、先方引率者からもこのような充実したプログラムに対し、高い評価と感謝の言葉を頂き、今後も本プログラムの継続的な実施と強化を強く望まれました。また、参加学生の数名が来年度からの留学生としての入学意思を示してくれました。本校としても、今後もこのような交流を継続することで、将来的には日本と中国の価値観や文化を深く理解したグローバル人材として、両国に寄与できる人材を輩出するプログラムにしたいと思います。
今回、さくらサイエンスプログラムの実施にあたり、丁寧にご対応いただき、また、ご協力いただきました関係者の皆様に心より感謝申し上げます。