2023年度 活動レポート 第42号:名古屋大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第042号 (Aコース)

タイ学生を招き日本のプラズマ技術に関する体験・交流プログラムを実施

名古屋大学からの報告

 名古屋大学大学院工学研究科では、2023年10月11日から10月17日、タイのマヒドン大学理学部化学専攻およびカセサート大学工学部材料工学専攻から7名(引率教員1名/大学院生6名)を招へいし、日本の先端プラズマ技術および材料合成・応用に関する体験・交流プログラムを行いました。タイは農業と産業の両方からバイオ廃棄物が多く、それらを触媒や補助材の合成資源として利用できます。この短期研修プログラムでは、溶液プラズマ技術を学ぶことを通じて材料合成を行い、その合成物を触媒として評価しました。その後、学生たちはこの技術を生物資源から得た物質の合成に応用し、自動車産業などで使用可能な高性能な触媒や補助物質を生産することを目指しました。

 名古屋大学の東山キャンパスツアーでは、名古屋大学グリーンモビリティー連携センターの液中プラズマ技術設備を訪問し、名古屋大学博物館にて本学におけるノーベル賞受賞研究内容などを学びました。

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■ソリューションプラズマ用いた材料合成・評価

 ソリューションプラズマを用いた材料合成に関連する講義を行いました。参加者は「ソリューションプラズマとは何か?」や「燃料電池システムにおけるソリューションプラズマを用いた触媒としてのナノ材料の役割」などについて学び、熱心に質問していました。

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 講義後は、ソリューションプラズマを用いた材料合成実験を行い、同時に講義で学んだプラズマ特性の測定も実施しました。参加者はオシロスコープなどの測定装置を用いてプラズマ特性を行ったことがなく、様々な条件でプラズマ特性が変化することを実感していました。ソリューションプラズマで合成された材料の構造も分析。タイで学んでいるX線回折法などの分析方法はスムーズに行っていました。さらに、これらの材料の将来的な応用の可能性を見いだすために、二酸化炭素還元と酸素還元反応の触媒活性についても評価しました。これに伴い、参加者は燃料電池触媒評価施設や二酸化炭素転換のためのプラズマ反応器およびガスクロマトグラフィー質量分析装置など、最先端設備をはじめて利用することができました。

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■文化などの体験・見学

 週末は、日本の文化や料理などを体験し、名古屋で有名なトヨタ産業技術記念館を見学しました。トヨタの自動車づくりの歴史を様々な角度から観覧し、「モノづくり」を体感できました。

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 修了式・交流会では、参加者がこのプログラム中で合成した材料の分析結果や特性の評価結果を報告。結果について、名古屋大学の齋藤永宏教授および学生との意見交換が行われました。報告のみならず、参加者によるマヒドン大学およびカセサート大学についての紹介も行われ、このプログラムを通じて得た経験や感想を共有しました。

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 本研究交流プログラムにより、参加者は日本での進学に対する関心を深める機会となり、さらに、タイと日本の大学の学生の双方にとって、国際的な研究環境におけるコミュニケーション能力の向上に寄与しました。学生たちの英語力の向上や国際感覚の養成にとって非常に有益な経験となりました。このような貴重な機会を提供いただき、さくらサイエンスプログラムおよび関係者の皆様に心から感謝申し上げます。