2023年度 活動レポート 第41号:横浜国立大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第041号 (Aコース)

日本における安全工学と非破壊検査技術の体験と実習

横浜国立大学からの報告

 2023年9月24日~9月30日にかけて、横浜国立大学にベトナム・ダナン工科大学道路橋梁学部の教員1名、大学院生4名と学部生5名を迎えて、さくらサイエンスプログラムでの安全工学と非破壊検査に関する交流事業を行いました。

 安全工学と非破壊検査に関する授業と実験・演習の他、次世代のエネルギーキャリアである水素に関する授業と水素自動車MIRAIの試乗及び現在実施中の巨大な公共事業であるリニアモーターカー事業に関する山梨県立リニア見学センターの見学などを行いました。さくらサイエンスプログラム実施期間中の各プログラムにおいて横浜国立大学の教員、参画学生との活発な議論を通して有意義な交流が行われました。

1)水素自動車MIRAIの試乗

 次世代エネルギーキャリアの水素を用いた技術システムである水素ステーションと、水素自動車についての技術概要とそれらの安全対策に関する授業を受けた後、本学が所有する水素自動車MIRAIに試乗しました。招へい学生たちは、初めて見る水素自動車に大きな興味を示すとともに、次世代エネルギーキャリアである水素の安全対策の重要性と水素に関する技術システムの有効性を学ぶ機会となりました。

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水素自動車MIRAIの試乗

2)山梨県立リニア見学センターの見学

 現在の我が国の最大の社会インフラプロジェクトであるリニアモーターカーの整備に関する見学施設の山梨県立リニア見学センターを見学しました。また、リニア見学センターを見学後、忍野八海、ふじさんミュージアム・富士山レーダードーム館も訪れました。これらの見学と訪問を通して我が国の高い技術力を学ぶとともに日本を代表する風景や文化を楽しみました。

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山梨県立リニア見学センターの見学

3)安全工学と非破壊検査に関する講義

 本学で開講されているユニークな講義科目である安全工学と非破壊検査に関する講義を受講しました。安全工学の授業では安全、リスクの考え方、それらの国際的な定義、個人死亡リスクの計算方法およびその代表的な値を学び、全員で各種事故による個人死亡リスクの値と安全について議論し、理解を深めました。

 非破壊試験の授業では、放射線透過試験、超音波探傷試験、磁粉探傷試験、渦電流探傷試験及び浸透探傷試験といった代表的な各種非破壊試験に使用されている物理現象、各物理現象の発生原理、各種非破壊試験の代表的な測定方法、物理現象の視点から考えた適用可能な材料、検出可能な欠陥の特徴などを学び、非破壊試験に関する実験を実施するための要点を整理しました。

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安全工学に関する講義

4)安全工学、非破壊試験に関する各種実験

 代表的な非破壊試験の磁粉探傷試験、渦電流探傷試験、電気化学的原理を用いた化学センサ、水素漏えい検知技術、光ファイバを用いた化学物質の検出技術、光ファイバを用いた音波検出技術に関する実験を行うとともに、非破壊試験で得られた結果に機械学習を適用する研究例、配管の延性破壊に関する研究例などを学びました。これらの実験の実施と本学の教員、参画学生との議論を通して社会・産業インフラの安全確保に必要な知識を深く学ぶことができました。

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非破壊検査に関する実験
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化学センサに関する実験

5)さくらサイエンスプログラムで得られた知見に関する発表会

 最終日には、招へい学生がさくらサイエンスプログラムで得られた知見を発表資料として整理し、本学の教員と参画学生に発表しました。発表では招へい学生からさくらサイエンスプログラムで実施した実験に対する追加の質問や日本の研究室活動について質問があるとともに、本学の教員と参画学生からも各発表に対して多くの質問が寄せられ、大変有意義な発表会となりました。最後に、招へい学生たちにさくらサイエンスプログラムの修了証を授与し、さくらサイエンスプログラムを終了しました。

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発表会後、全員そろっての集合写真