2023年度 活動レポート 第36号:筑波大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第036号 (Aコース)

Undergraduate Science Course in Tsukuba 2023

筑波大学医学群医療科学類からの報告

 筑波大学医学群医療科学類では、JSTさくらサイエンスプログラムの支援を受け、2023年8月27日から9月2日までの期間、第9回目となる「Undergraduate Science Course in Tsukuba 2023」を開催しました。これまでインドネシア、台湾、ベトナムといったアジア圏の協定校から大学生を招へいしていましたが、今回はエジプトからも参加者を募り合計11名の大学生を招へいし実施することができ、より多様な視点で交流できたことと思います。このプログラムでは、日本の医学研究を世界に紹介するとともに、海外から若い才能を日本に招待し、未来の科学者たちの育成を目的としています。

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オリエンテーション後の集合写真

 プログラムでは、招へい学生たちが筑波大学医学群医療科学類生と一対一のペアを組んで、実験動物学、遺伝子制御学、実験病理学、睡眠医科学、代謝内分泌学、血液内科学、免疫学、ウイルス学、再生医学などの医学系研究室に配属され、実際の研究課題や手法を学び、研究に取り組みました。初めての手技や装置に戸惑うこともありましたが、受け入れ研究室の教員や大学院生などに指導してもらいながら、自分たちでも実施することができました。若い研究者の卵たちが相互に刺激し合い、新たな発見や知見が生まれることが期待されます。

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研究室での実験風景

 研究室での活動だけではなく、筑波大学病院の見学も行いました。本学附属病院陽子線治療センターでは、陽子線治療、X線治療、密封小線源治療など、最新の医療技術を体験し、陽子線ビーム加速器などの機器を見学しました。医学分野の実践的な知識を深めるだけでなく、参加者たちの専門分野における知識や洞察力を養うことにつながりました。

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病院見学の様子

 本学のMedical English Communication Center(MECC)では、Cosmin Florescu先生より、英語でのプレゼンテーションについての講義を受けました。MECCでは、専門的な医学英語の教育を行っており、世界的な学術交流を目的として、英語力を向上させるための様々な講座やイベントを開催しています。特に低学年の参加者の中には、プレゼンテーションを行った経験が少ない人もいましたが、各人のレベルに合わせた指導を受けることができ、将来的に国際的な学術会議での発表にも対応できるようになることを目的に、プレゼンテーションの手法やノウハウを学ぶことができました。

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講義風景

 また、参加者たちは自国文化や大学についての情報を共有し、互いのキャリアプランについて議論、夢を語り合いました。このような交流の機会は、異なる文化や背景を持つ人々が、相互理解を深め、新しい知識や視点を得ることができる貴重な機会であり、参加者たちにとって有意義な経験になったものと思われます。

 そして、プログラム最終日には、参加者ら研究室で体験した研究成果を発表するプレゼンテーションが行われました。参加者たちは皆緊張しながらも、それぞれの研究テーマについて、詳細な説明と結果を英語でプレゼンテーションし、討論を行いました。発表会終了後には、修了証が授与されました。本プログラムが、今後の本学医学群医療科学類と協定校とのさらなる交流の深化につながっていくことを期待します。

 招へいされた参加者たちは、担当教員によって空港まで見送られて離日し、「Undergraduate Science Course in Tsukuba 2023」を無事に終了することができました。ご支援くださったJSTさくらサイエンスプログラムおよび関係者の皆様に深く感謝申し上げます。