2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第016号 (Aコース)
タイの高校生・大学生が日本の企業・高校で科学技術体験交流
公益財団法人日本ユースリーダー協会からの報告
2023年6月6日~6月12日、ロボット工学を専攻するタイの高校生・大学生7名を選抜し、招へいしました。日本ユースリーダー協会では、これまでオンライン交流も含め13回にわたり208人もの参加者を受入れています。今回招へいしたのは、日本の最新AI技術や産業用ロボットに高い関心を持つ学生たちで、タイのロボットコンテストにて入賞している学生も含まれています。
科学技術体験コースのプログラムとして、下記3点を目標としました。
- 日本の最新科学技術に触れられること。
- 科学技術が利用されている実際の現場を見学できること。
- 日本人との交流の機会を沢山もてること。
【初日】
朝7時前から空港へ、招へい者達が到着するのを心待ちに出迎えに行きました。その後、港区立みなと科学館で宇宙、エネルギー、気象に関する展示物を見学し、科学全般に関する興味を引き出していきました。夜にはは宿泊先の国立オリンピック記念青少年総合センターで、協会理事と日本人大学生を交えて歓迎会を行いました。
【2日目】
訪問先の移動途中に明治神宮・原宿駅周辺を散策。日本の歴史を学び、公共交通機関の鉄道についても知識を得ました。
午後は品川女子学院高等部を訪問し、お昼は生徒のみなさんと一緒に食事をとりながら楽しいひと時を過ごしました。そのあと高校2年生の化学の授業に参加させてもらい、 英語やジェスチャーを交えたコミュニケーションを取りながら、身近にあるものを使って化学反応を見る実験を行い、楽しく学習することが出来ました。
授業終了後には茶道部を見学しました。はじめて畳の部屋に上がる貴重な体験をして、美しい所作とお点前を拝見し、日本の伝統文化の素晴らしさも知ることができました。
【3日目】
東京都武蔵野市にある横河電機株式会社を訪問しました。今回はAIを使った水制御システム、宇宙事業、グローバル・レスポンスセンターについて教えていただきました。ロボット工学を専攻している参加者たちにとっては非常に興味深い内容で、たくさんの質問が出ました。その後、武蔵野クリーンセンターへ移動し、横河電機株式会社の制御システムが使われている所を見せていただき、説明もして下さいました。また、焼却所内でごみを燃やした灰はエコセメントとして再利用されていることも学びました。
夕方には武蔵野大学へ移動し、アントレプレナーシップ学部の学生達と交流をしました。小グループに分かれて、「日本のどんなものをタイに取り入れたいか」というテーマでディスカッションを行い、「介護ロボット」という意見が出たチームもありました。
【4日目】
千葉県木更津市にあるトーヨーカネツ株式会社千葉事業所を訪問しました。 入口の外ではタイの国旗を高く掲揚していただき、社員のみなさんがタイの小旗を振りながら温かく出迎えて下さいました。 ここでは自動倉庫内における産業用ロボットが実際に稼働している現場を見ることができ、参加者たちは大喜びで、その後の質疑応答も時間が足りないくらいになりました。
【5日目】
午前は池袋防災館を訪問し、人命救急、消火器の使い方、火災による煙からの避難、大地震の体験などを通して、日本の災害・防災について学びました。
午後は芝国際高等学校を訪問し、ここでも日本人の生徒さん達と一緒に昼食を取りながら交流を深めました。その後、物理の授業に参加させてもらい、卵を2階から落としても割れないような工夫を施す実験をグループに分かれて行いました。すべてのグループが実験に成功し、グループワークにより友情が芽生え、帰り際には別れを惜しんでなかなか帰ることができませんでした。
【6日目】
日本科学未来館やKAWASAKI ROBOSTAGEを見学し、日本の最先端の科学技術や産業用ロボットの展示を見学しました。災害の現場や人の手が触れると危険な化学実験の現場で、ロボットが活用されていることを学びました。
夕方にはプログラムで交流した協会理事や日本人大学生たちが集まり、修了式とさよならパーティーを行いました。1人1人に修了証が手渡された後、参加者たちからプログラムで学んだ成果の発表がありました。その後、タイの参加者は民族衣装を着て伝統的な踊りを披露してくれました。日本人学生たちも、みんなで一緒に楽しめる出し物を考え、タイの参加者も知っている「ドラえもん」の歌を日本語で一緒に歌いました。そして最後に、参加者全員で輪になり盆踊りを楽しみました。
7日間という短い時間でしたが、今回の様々な研修を通して参加者全員が色々な事を吸収し、ひと回りも成長し帰国の途に就きました。 このプログラムでは幅広い交流を通じて両国の友好関係が深められ、多くの人にとって実りある研修の機会となりました。