2023年度 活動レポート 第6号:岩手大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第006号 (Aコース)

アジア3カ国の学生が先端的なメディア技術による多彩なデジタルコンテンツ・デザインを体験

岩手大学からの報告

 2023年7月9日から7月16日の間、アジアの3カ国・地域(モンゴル、台湾、タイ)の6大学(モンゴル国立大学、モンゴル科学技術大学、モンゴル人文大学、新モンゴル工科大学、台北科技大学、チェンマイ大学)より大学生・院生合計7人および引率教員2人を岩手大学へ招へいしました。今回の招へいでは、大きなトラブルもなく、スムーズに実施することができました。

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岩手県盛岡市内の調査(岩手銀行赤レンガ館)

<初日>

 成田空港にて全員集合し、夜遅く盛岡に到着しました。今回、送迎は外部業者に委託しました。

<2日目>

 午前中にオープニングセッションを行いました。最初に学部長挨拶の後、事務手続きを行い、岩手大学の紹介ビデオを視聴しました。ビデオは、2020年度のさくらサイエンスオンライン交流 のときに制作されたものです。次に、本学デザイン・メディア工学専攻の大学院生(博士課程学生2名)による、研究発表を行いました。最後に、各大学の学生が、"My Country, My University"と題して、各国の文化や、食事、生活などを発表し、加えて各大学の紹介を行いました。

 本学大学院生の研究発表では、博士3年次の2名の学生が各自の研究内容について発表しました。発表内容は、3次元計測点群の幾何学的処理についての研究発表と、3次元キャラクターのデフォメーションに関するもので、どちらもコンピュータグラフィックスに関連した研究内容でした。最新の研究内容に関する発表であり、招へい学生は熱心に聞いていました。午後からは、2グループ(田中グループ、松山グループ)に分かれて、各研究室での活動となりました。

<3日目~5日目>

 各研究室にて活動を行いました。詳細は、下記に示します。また、3日目には、教員同士の交流を深めるため、さくらサイエンスプログラムに関係のある本学の教員4名と、招へいした2名の教員でレセプションを行いました。

グループA(田中グループ)

 モノゴル、台湾、タイにおける特産品パッケージの特性を基軸にディスカッションを展開しました。最初に大学のキャンパスの各施設を見学し、相互、自己紹介を行い、発表するテーマを議論しました。その後フィールドワークを行い、岩手県立美術館、盛岡中心部の川徳、らら・いわて、地元のカフェ店等の施設において岩手県および各地域の様々な伝統工芸品や特産品のパッケージについて深くサーベイをし、また、気になるパッケージを実際に購入してもらい、その後、ブレインストーミングを進めました。モンゴル、台湾、タイと異なる地域で比較できるため、パッケージの特徴をデザイン学的な視点でお互いに意見交換を行い、日本の特産品のパッケージの特徴を考察しました。最後に、議論して得られたデザインの特徴やその要素を探索し、様々なユーザのニーズに合わせ、個々の国のパッケージデザインの今後の課題点等をまとめ、プレゼンテーションを行いました。

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グループAの様子
グループB(松山グループ)

 文化の多様性に着目したアプリケーションアイディアに関するディスカッションを行いました。はじめに、活動方針に関する議論を行い、フィールドワークを通じて、日本および地域社会の特色を観察し、その特徴を調査することで異文化の理解を深め、これを基にアプリケーションのアイディアを考案するアプローチを採用することとしました。フィールドワークとして、大学の周辺・市内の商業施設・商店街などでリサーチし、情報収集を行いました。次に、得られた情報を基に、ブレインストーミングによるニーズの掘り下げ、そして、ニーズを解決するアプリケーションの考案について議論しました。その結果、いくつかのアプリケーション案が挙げられました。最終的に1つのアイディアに絞り、その実現に向けたユーザインタフェースデザインと、使用者を想定したデータベース設計を議論しました。最後に、アプリケーションアイディアについて、発想に至ったプロセスを含む形でプレゼンテーションを行いました。

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グループB 議論の様子

<6日目>

 各研究室での活動をまとめて発表用スライドを作成し、発表会を行いました。グループAは、日本のスーパーなどへ出向いてパッケージデザインの調査と各国の違いに対する議論、グループBは、日本および地域社会の観察・調査に基づくアプリケーションの提案を行いました。

<7日目>

 午前中は、芸術科学会東北支部が主催するデジタルコンテンツの展示発表会「アート&テクノロジー東北2023」を見学しました。A&T東北2023 のサイトは、"http://www-cg.cis.iwate-u.ac.jp/AT2023/"になります。今年度は、展示イベントが対面となり、最新技術を用いた様々な作品、デジタルコンテンツを体験することができました。午後には、帰国のため東京へ移動しました。

活動レポート写真4
A&T 東北2023への参加の様子

<8日目>

 成田空港から皆さん元気に離日しました。

活動レポート写真5
参加者全員で記念撮影