2022年度 活動レポート 第183号:朝日大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第183号 (Aコース)

超高齢化社会を支える日本の医療環境を学ぶ

朝日大学からの報告

 2023年3月7日から13日まで、朝日大学保健医療学部看護学科は、「さくらサイエンスプログラム」の支援を受け、北京大学看護学院(中国)から教職員2名、学生8名の計10名を受け入れ、7日間にわたる研修を実施しました。
 2019年9月、保健医療学部看護学科と北京大学看護学院は、両大学がこれまで行ってきた歯科医学分野における交流活動と同様に看護学領域における学術交流協定を締結、同年、さくらサイエンスプログラムに採択されました。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大により延期、2021年「さくらサイエンス代替オンラインプログラム」 を経て、今回、オンラインの内容をリアルに体験できるプログラムを実施しました。
 今回のプログラムでは、研修テーマ「超高齢化社会を支える日本の医療環境を学ぶ」に基づき、学内研修および学外研修を通じて高齢化社会先進国である日本の看護学および医療環境等について学び、研修の中で本大学学生との交流も行いました。

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朝日大学正面玄関前にて

 また、美濃和紙の里会館(美濃市)での岐阜県の伝統工芸である紙すき体験、岐阜城、日中友好庭園(岐阜市)等の見学および京都訪問を通して、岐阜の自然や歴史と文化および日本の歴史等を体験しました。

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紙すき体験の様子

 研修期間の中で、大友学長と共に、駐名古屋中国総領事及び岐阜県日中友好協会会長を訪問し、今回の日本での研修について報告しました。楊嫻総領事からは、日本での研修が実りあるものとなり、帰国してから次世代に是非つないで欲しいと激励のお言葉等を頂戴しました。杉山幹夫岐阜県日中友好協会会長からは、一行の訪問が日中友好の架け橋となることを期待しているとのお言葉を頂戴しました。

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駐名古屋中国総領事訪問の様子
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岐阜県日中友好協会会長訪問の様子

1.朝日大学にて講義の受講、実習の実施

 学内研修では、看護学科 武藤教授による「日本での看護キャリア」、榊原教授による「日本における訪問看護のしくみ」の講義を受講。また、岡村教授等による高齢者体験装具「エルダートライ」を用いた「高齢者体験」や、中村講師等によるハイブリッドシミュレータ「SCENARIO」を用いた「シミュレーター実習」を行いました。この研修では、教員の補助として看護学科の学生も参加しており、学生同士が交流する様子も見られました。

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シミュレーター実習の様子

2.医療機関での「高齢者医療の提供の在り方」等の研修

 中部国際医療センター(美濃加茂市)を見学し、日本の高齢者医療の提供の在り方、特に充実したリハビリテーションセンターにおいて、地域包括ケアシステムの一環としての高齢者への理学療法・作業療法・言語聴覚療法、介護におけるリハビリの重要性等について学びました。

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中部国際医療センターでの研修の様子

3.医療関連企業の見学

 エム・シー・ヘルスケア株式会社 岐阜サプライセンター(岐南町)にて、SPDシステム(医療材料の物品管理)の講義を受けた後、医薬品を倉庫から出庫し、本大学附属病院である朝日大学病院(岐阜市)へ入庫するまでの物流を見学。実際の現場で、直接担当者から「SPDシステム」についての話を聴くことで、日本の医療用医薬品が安全に無駄なく供給されるプロセスについて理解を深めることができました。当該研修後は、同病院にて健診センター等の見学を実施しました。

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エム・シー・ヘルスケア株式会社の倉庫見学

 最後に、研修生の感想を紹介します。

○感想(抜粋)

  • ことわざにあるように、百聞は一見に如かずです。 この研修を通じて、高齢者看護分野についての知識を深めただけでなく、日本社会についてもより深く理解することができました。
  • この研修は、私の視野を広げ、看護と医療についての理解を深めた貴重な経験でした。これからも看護学生として学び、成長し、今回の経験を今後の実践に生かしていきたいと思います。

 今回は、本大学保健医療学部看護学科として初めての海外研修生の受入れでした。新型コロナウイルスの影響も心配される中で、無事に全日程を終えることが出来ました。今後も両大学間における交流を継続的に実施していくとともに、日中両国の看護学教育の発展に寄与してまいります。

 この度の研修生受入れに当たり多大なるご指導、ご協力をいただいた科学技術振興機構に感謝いたします。