2022年度 活動レポート 第178号:芝浦工業大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第178号 (Aコース)

「福祉機器・リハビリテーション機器と生体信号の応用に関する技術体験」ワークショップ

芝浦工業大学からの報告

【プログラム概要】

 交流テーマ:福祉機器・リハビリテーション機器と生体信号の応用に関する技術体験
 実施機関:芝浦工業大学 システム理工学部 生命科学科
 招へい大学:マレーシア マラ工科大学
 実施期間:2023年2月26日~2023年3月4日

【プログラム詳細】

 マレーシアのマラ工科大学から学生10名、教員1名を招いて7日間のさくらサイエンスプログラムを実施した。芝浦工業大学からは学生3名、Teaching Assistance(TA)の学生3名、教員2名が参加した。
 プログラムは実質2日目からの開始となり、芝浦工業大学の生命科学科の紹介を実施し、大宮キャンパスツアーを行った。福祉人間工学研究室(花房教授)、生活支援ロボット研究室(髙木准教授)、バイオ流体科学研究室(渡邊教授)の研究室見学会を実施した。またマラ工科大学から参加のNoor Ayuni准教授によるリハビリテーション関係の研究紹介が行われた。
 生体信号としては、筋電を取り上げ、3日目の午前中から筋電計測回路による筋電計測実験を開始した。これらの実験は、マラ工科大学と芝浦工業大学の学生を混成したAからEの5グループに分かれて実施した。午後には国立障害者リハビリテーションセンターの見学会を実施し、日本の福祉機器・リハビリテーション機器の紹介とともに障害者リハビリテーションの現状を理解いただいた。

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国立障害者リハビリテーションセンター見学

 4日目の午前中は、筋電信号増幅とフィルタ回路の製作とオシロスコープによる評価実験を実施した。午後には芝浦工業大学の豊洲キャンパスと川崎ロボステージの見学を行い、日本の最先端ロボット技術の現状を理解いただいた。

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筋電信号処理回路製作実習と筋電計測実験

 5日目には、DCモーター駆動回路の製作実習、筋電波形のArduinoマイコンへの取込み、モーター制御実習を実施した。この実習により、筋電によるモーターの制御が可能となる。またこの演習終了後、筋電計測システムを応用したシステムの提案をグループでディスカッションし、翌日にPowerPointによりグループ発表を行うこととした。また当学科で保有する車いすの紹介を行い、その体験会も実施した。

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福祉機器(車いす)体験

 6日目午前は、発表の準備を行い、午後から各グループによる12分の発表と3分の質疑応答を実施した。本プログラムの実施内容の振り返りと筋電計測システムを応用したシステムの提案についての発表を、グループに所属する全員で行った。Aグループは歩行移動支援システム、Bグループは医療機器の搬送システム、Cグループは車いす移動支援システム、Dグループは麻痺患者の姿勢変換と移動支援システム、Eグループは高齢者のカートによる移動支援システムの提案を発表した。

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最終発表会の状況

 夕刻からは、意見交換会の実施と科学技術振興機構と芝浦工業大学からの修了証の贈呈式を実施した。意見交換会では参加者全員に感想を述べていただいたが、ほとんどの学生が初めての海外体験、また日本学生との初めての共同作業であり、非常に印象深い体験であったとの感想であった。

 最終日の7日目は、日本文化体験として、浅草を訪問した。その後成田空港に移動し、帰路についていただいた。

 まとめとして、今回実施した本プログラムの特徴と工夫した点は、見学や説明だけでなく、受講者自身に筋電計測実験、信号増幅とフィルタ回路の製作、モーター駆動回路の製作実習、筋電波形のArduinoマイコンへの取込み演習を実施したところにある。実際に体験してもらうことにより、より新しい技術への興味と理解を進めることができたと考える。参加者へのアンケート結果でも参加者全員が「Very satisfied」を、日本への再訪も「Definitely wish」を選択しており、今後のマラ工科大学の学生との交換留学、研究留学に結びつけることが、大いに期待できるプログラムとなった。貴重な機会をいただいた「さくらサイエンスプログラム」に深く感謝申し上げる。