2022年度 活動レポート 第177号:九州工業大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第177号 (Bコース)

学生交流から始める本格的な国際共同研究

九州工業大学からの報告

 2023年2月24日~3月5日、九州工業大学大学院情報工学研究院のある飯塚キャンパス(福岡県飯塚市)および九州工業大学大学院生命体工学研究科のある若松キャンパス(福岡県北九州市若松区)において、さくらサイエンスプログラム「学生交流から始める本格的な国際共同研究」を実施しました。

 九州工業大学の国際交流協定校であるバングラデシュのラジシャヒ大学の3研究室(Rubel研究室、Shamim研究室、およびKhademul研究室)と本学の3研究室(大学院情報工学研究院の小田部研究室と倉田研究室、および大学院生命体工学研究科の我妻研究室)が、学生間で交流を行う本格的な国際共同研究の導入を開始しました。これまで2020年から2021年度までは新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、オンラインで実施 をしていましたが、本年度いよいよ来日して交流することができました。

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 2022年11月17日には事前にZoomを使ったオンラインのキックオフミーティングを行ないました。関係者が集まって、自己紹介をしたのちに、あらかじめ準備した方がいいことについて相談をして、来日に向かっての気分をあげました。また来日直前の2月1日にも関係者を集めて、Get together meetingを行ないました。そこでは日本での滞在に必要な準備を含めて、非常に細かいことにも触れて説明を行なうとともに、直前でどのような研究に当たっての準備をしたら良いかを紹介しました。

 2022年2月24日金曜日の朝8:10の到着予定で福岡空港に来るという深夜便だったのですが、福岡空港から九州工業大学飯塚キャンパスまで貸切バスで移動する途中ではショッピングモールで初めての日本食に挑戦するなどしました。週末は飯塚市の国際文化交流センター館長牟田さんおよびCODO外語観光専門学校のラフマン校長にも協力いただき、日本文化体験をしました。また福岡市科学館を見学しました。

 来日から4日目の2月27日から3月3日まで5日間は、9名の学生は3名ずつ3グループに分かれて、それぞれの研究室で活動を行ないました。小田部教授の研究室では超伝導の浮上実験、倉田教授の研究室ではバイオインフォマティクスおよびデザイン思考、我妻教授の研究室では脳波の測定と信号処理をテーマとした、実践的な研究活動を進めました。超伝導実験では、学生のリクエストに応じて測定内容を変更して、浮上力の温度依存性を調べるなど、より実践的な実施内容にフレキシブルに対応して行いました。デザイン思考を学習した倉田教授のグループではChatGPTも積極的に利用して、ビジネスプランコンテストを3人の参加学生に行わせて、優れたビジネスプランを考えていただきました。会社のロゴなども画像生成AIにより簡単に見栄えのするものが生成でき、以前と比べて格段にいいできのビジネスプランを提案できました。また我妻教授のグループは、講義ののちに実際に脳波の測定を行い、その波形から情報処理を行なって具体的な意味を汲み取る研究の一連の取組を行ないました。

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我妻研究室での脳波の測定の様子
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倉田研究室での学習の様子

 3月4日土曜日には最終発表会が飯塚キャンパスのポルト棟のコワーキングスペースで行われ、全員の学生が発表を行いました。その際には、牟田さんとラフマン先生にも同席いただきました。それぞれの学生は短い滞在で多くの事を学んだことを、熱を込めて発表し、バングラデシュに帰っても日本との繋がりを持って、本格的な国際共同研究に繋ぐ意志を示しました。

 今後もさくらサイエンスプログラムを通じて、九州工業大学とラジシャヒ大学の交流を進めて、両国の学生の将来に大きなメリットがあるように進めたいと考えています。