2022年度 活動レポート 第164号:芝浦工業大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第164号 (Aコース)

ドローン製作をメインに据えた研究室インターンシップ

芝浦工業大学からの報告

【プログラム概要】

 2023年2月15日~21日の間、スリランカのワヤンバ大学から優秀な学生を芝浦工業大学工学部電子工学科の画像処理ロボティクス研究室に招へいし、日本と母国スリランカに精通したプレーマチャンドラ・チンタカ(Chinthaka Premachandra)教員による、ドローン製作をメインに据えた研究室インターンシップを中心としたプログラムを実施した。ラボワークは、招へい学生がドローン製作体験を通じて専門性の高い技術を学ぶだけでなく、日本人学生との交流を深める良い機会となった。本プログラム初日に、参加学生は日本人学生に浴衣の着付けを教わり、日本文化を体験することができた。

活動レポート写真1
歓迎会の様子
活動レポート写真2
浴衣体験で異文化交流

【プログラム詳細】

 プログラム前半では、担当教員による講義でドローンを製作するための基礎的な知識を学び、その後、各自でドローン製作に必要な部品をリスト化し、フィールドトリップも兼ねて秋葉原にて部品の買い出しを行った。今回の参加学生は、主に電気情報工学を中心に学ぶ学生で、彼らにとって秋葉原の電気街での電子部品の買い物は大変貴重な体験であった。同日に、日本科学未来館を見学し、日本の先端技術を体験した。参加学生たちは、日本の技術力に対して、深い感激を受けている様子が伺えた。プログラムの後半では、実際に自分たちで調達してきた部品を用いて、ドローンの製作を行った。参加学生には、サポート役としてドローン製作経験のある日本人学生を配置し、共同で製作させることで作業効率を上げることができた。また、ペアでの共同作業によって、両国の学生間の交流も深まり、日本人学生の国際意識の醸成にも役立ったと考えている。

活動レポート写真3
ラボワークの様子

 またプログラムの最終日、スリランカの民族衣装 サリーを披露するサプライズがあり、参加学生にとっても各自の文化を日本人学生に伝えられる良い機会となった。

活動レポート写真4
スリランカの学生がサリーを着用して登場

 参加学生から芝浦工業大学への進学、将来的な共同研究に関わる相談もあり、本プログラムを通じて、参加学生に日本の大学についての興味を持ってもらえたと感じている。また、今回の参加学生たちは、ワヤンバ大学において無料で教育を受けている学生であるため、海外渡航が経済的に難しい状況にある。そのような経緯に加え、スリランカが国としても経済危機に直面しているなかで、このような来日プログラムを実施できたことは、参加学生にとって大変貴重な機会となった。

 最終日の発表会では、参加学生が、今回の来日の機会を「"A Cherry Blossom in Winter"(冬に咲いた桜)」と呼び、喜びを表現している姿も見られた。全ての参加学生と引率教員から、さくらサイエンスプログラム、芝浦工業大学および関係者への深い感謝を示し、プログラムは無事に終了となった。
 本プログラム実施にあたり、ご協力いただいた皆様に、感謝を申し上げる。