2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第163号 (Cコース)
ベトナム理工系トップ2大学合同の電力・パワエレシステムの構築・運用・実技ワークショップ
芝浦工業大学からの報告
【プログラム概要】
ベトナム・ハノイ理工科大学(Hanoi University of Science and Technology, HUST)および同・ホーチミン市立工科大学(Ho Chi Minh City University of Technology, HCMUT)より、さくらサイエンスプログラムを活用して「ベトナム理工系トップ2大学合同の電力・パワエレシステムの構築・運用・実技ワークショップ」のタイトルでインターンシップ生受け入れを2023年2月11日~20日に実施した。参加者12名に対して、企業博物館などの見学、これまで本研究室(電力システム研究室)にて開発を進めてきたモジュール形電力系統実習装置を用いた実験実施、共同研究先であるダイダン(株)技術研究所における関連施設見学、大学の電気設備見学、プレゼンテーションなどのワークショップなどを組み合わせることで、電力・パワエレシステムに対して多角的な視点から理解を深めるブログラムを構成した。
【スケジュール】
<2月11日>
- ベトナムから成田に移動、ホテルまで引率
<2月12日>
- お台場科学未来館の見学
- 企業博物館である川崎重工Robostagの見学
<2月13日>
- オリエンテーション
- 電力システムに関する講義、安全教育
- 研究室訪問、修士論文発表会の聴講
- ウェルカムパーティー(自費開催)
<2月14日>
- 2班にわかれて実験実施(図1)
<2月15日>
- 実験及び実験に関する講義の実施
- 豊洲キャンパス受電設備等の施設見学
- ダイダン(株)技術研究所(埼玉県入間郡)見学
<2月16日>
- 2班にわかれて実験実施
- グループプレゼンの資料準備など
<2月17日>
- プレゼンテーションリハーサル
- 最終プレゼンテーション(図2・図3)
- フェアウェルパーティー
<2月18日~19日>
- グループ別に、帰国後の自身の研究つながる材料を見つけるためのフィールド調査の実施
<2月20日>
- ベトナムに帰国
【プログラム詳細】
- 実施に当たっては、本学側からTA6名を選出して入れ替わり制で常時3名程度が担当するようにして、安全管理を徹底した。また奨励研究員Dr.Sandroが取りまとめを分担した。本学の学生にとっても国際交流やチームワークの重要さについて理解が深まるブログラムとなった。
- 実験参加については、10名を2グループにわけ、各テーマにおいてリーダーを立てて、チームワークの育成をはかるように工夫した。実験テーマは、本学電気工学科学生が3~4年生で学ぶ内容と同レベルを想定して設定し、交流回路の基礎、電圧制御、発電方式、系統保護方式などを体験した。ハードウェア系の実験はベトナムでは手薄であり、貴重な経験となった。
- 豊洲キャンパスの施設見学においては、受変電設備・電気施設・免振構造の技術についてあらかじめ行い、単なる施設見学ではなく、効果的に理解できるように工夫した。
- ダイダン(株)技術研究所の見学においても、空調設備の原理や電気工学の活用に関する英語でのプレゼンテーションを依頼して、効果的に理解できるように工夫した。
- 全体として、電力技術講義・実習と施設見学を組み合わせたハイブリッドワークショップとなり、効率的かつ安定的な運営に資する日本の電気技術に触れることができた。また習経験を、各人の研究計画に反映してもらうとともに、将来的な日本への留学を推奨することもできた。