2022年度 活動レポート 第158号:芝浦工業大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第158号 (Aコース)

芝浦工業大学・オスマニア大学による材料工学分野の研究室ワークショップ

芝浦工業大学からの報告

【プログラム概要】

 本プログラムは、芝浦工業大学(以下、SIT)とインド・オスマニア大学(以下、OU)によって、学生たちに国際的な交流と自国の文化を発信する場を提供することを目的に開催された材料工学分野のワークショップである。学士・修士レベルで様々な学科から学生・教職員が参加した。このプログラムの実施を契機に、OUとSITは、国際的な視野を持つ学生の育成を目的とした国際プログラムの実施を促進するため、Memorandum of Understanding(MoU)を締結した。この合意は、各大学の教授や学生の交流、共同研究協力を奨励するものである。さらに、OUからのプログラム参加者は、日本の大学制度、生活様式、文化的基盤、先端技術的について学ぶことができる。また、参加学生や教員に対する恩恵のみならず、SITの大学ブランディングや世界ランキングの向上も期待できる。

【プログラム詳細】

 2月10日、豊洲キャンパスで開会式が開催され、環境やエネルギーの影響に関する超電導技術やOUの提供する研究分野、日印間の交流を促進する異文化交流プログラムの効果について説明された。加えて、豊洲キャンパスツアーを実施し、施設・設備の見学、機械の操作方法などの説明を受けた。さらに、着物や浴衣の日本文化体験プログラムを実施して日本の文化を共有し、積極的に交流した。

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日本文化体験プログラムの様子

 2月11日、OUの学生は超電導の基本情報、社会的重要性、エネルギーと環境の分野における影響について説明を受けた。その後、実験室見学が行われ、超伝導材料の特徴や製作・加工に使用される様々な実験装置の動作メカニズムや機器の使用方法について説明を受けた。

 2月12日、参加者は日本科学未来館およびTEPIA先端技術館を訪問し、展示物を通じて、日本の先端技術を体験した。見学の後、学生および引率教員は、浅草寺や渋谷スクランブル交差点などを訪れ、日本文化を体感した。(本件は、当初はプログラム2日目に実施予定であったが、雨天のためプログラム4日目に実施となった。)参加者は、上記の経験によって、日本の技術・文化遺産をより深く理解することができた。

 2月13日、コラボレーションを促進し、地球温暖化問題や気候変動に対処するための実用的な解決策の開発を促すことを目的としたワークショップを実施した。SIT学生とOS学生が混在するグループで、気候変動をコントロールする解決策について、アイデアを練り、意見をまとめ、グループ発表を行った。発表内容は、参加学生の創造性と批判的思考力を感じられる内容が多く見受けられた。また各グループの発表に基づき、優秀な発表を行った2グループを選出し、表彰を行った。このワークショップは、単なるアイデア創出の場ではなく、日本人とインドの学生が交流し、文化的な交流を促進することにも役立っていた。その後、参加学生はインド大使館を訪れ、Shri Sibi George大使と面会した。大使は「さくらサイエンスプログラム」の参加学生の熱意に感銘すると同時に、日印関係・交流の重要性について講演を行った。これにより、学生は、インドと日本の関係について理解を深めた。(本件は、当初予定されていたプログラム終了後に、大使へのアポイントが取れたため、急遽実現した内容である。迅速にご対応いただいた大使には、感謝申し上げる。)

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ワークショップの様子

 2月14日、OUからの学生による、さくらサイエンスエクスプログラムの最終発表会が豊洲キャンパスで開催された。参加学生一人ひとりが壇上でプログラムの体験や感想を共有した。発表内容はプログラム内で経験した日本文化と日本の大学教育のユニークな面や、材料工学分野で新しく学んだことや視野を広げた体験談を発表した。その後、閉会式が行われ、Muralidhar Miryala教授がOUの参加学生や引率教員への感謝を表明した。また、参加学生の勤勉さ、献身、学習意欲を賞賛し、今後も両大学で国際プログラムが実施できることへの期待を表し、閉会の言葉となった。

 最後に、今回のプログラム実施にご支援いただいた、さくらサイエンスプログラムの関係者の方々に厚くお礼申しあげます。

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参加者の集合写真