2022年度 活動レポート 第156号:東京農工大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第156号 (オンライン)

微細放電加工に関する国際共同研究体験プログラム

東京農工大学大学院工学府からの報告

 さくらオンラインプログラムの支援を受け、2023年1月5日~12日の8日間、中国大連理工大学の大学院生8名と教員1名が、本学の「微細放電加工に関する国際共同研究体験プログラム」に参加した。本プログラムは、ワクチンや薬の開発に不可欠な薬液噴霧ノズルの成形用微細金型の生産性を向上させるための微細放電加工技術をテーマに、異なる研究環境にある大連理工大学と本学の大学院生同士の交流により、アイデアを生み出し、今後の共同研究プロジェクトの立ち上げや優秀な留学生の獲得につなげていくことを目的としている。

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ZOOMによるオンライン開催の様子

 8日間という短い時間の中、本オンラインプログラムを通じて、本学の姉妹校である大連理工大学の生産加工に関する研究グループの若い次世代研究者とプログラム実施責任者の研究グループの学生の間で、活発な交流が行われた。

 初日のオリエンテーションでは、実施責任者によりプログラムの概要や秘密保持に関する事項等を説明した。その後、実施責任者の研究グループで実施している研究テーマである微細放電加工の気泡フラッシング効果促進の研究内容を説明し、実験の様子もわかるように、オンラインで実験装置、研究設備を紹介し、共同研究の実際を体験してもらった。

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実験装置の紹介
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 また、本学の生産加工に関する研究成果、研究環境、産官学連携の実態も紹介した。先方大学からの研究紹介では、中国大学の実態を知ることができた。学生同士の交流と活発なディカッションが行われ、異なる研究環境にある若手研究者が自由な発想とアイデアを出し合うなど、今後の共同研究に向けての意見交換へと発展した。

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実験のオンライン中継

 オンラインならではのメリットを生かした第一線の海外研究者によるオンライン講演会では、ヨーロッパや台湾の最新技術動向を把握することができた。また、留学生により、日本の研究生活、就職状況や日本の文化も紹介された。プログラムの実施により、中国の若手研究者が日本の研究レベル、文化への理解を深くし、日本と中国の大学生・院生同士が交流によってお互いに刺激しあい、若者の間の交流ルートを築くことができた。

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台湾の最新技術動向のオンライン講演会
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KU Leuvenの研究者によるオンライン講演会

 参加学生は、本プログラムに参加することで、研究だけではなく、日本社会に対する理解および親近感が一層強くなり、今後は日本の大学院を留学先として積極的に検討するとの感想が寄せられた。

 最後に、貴重な機会を与えていただいた科学技術振興機構に厚くお礼を申し上げます。