2022年度 活動レポート 第147号:函館工業高等専門学校

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第147号 (Aコース)

2023年函館高専グローバルセミナーの実施

函館工業高等専門学校
グローバルセンター長・一般系 教授
奥崎 真理子さんからの報告

 2023年3月5日から3月11日までの1週間、函館工業高等専門学校を会場に、4か国の学生がチームを組んでグループワークショップに取り組むグローバルセミナーを実施いたしました。

 本セミナーは、「グローバル化が進む国際社会において、函館地域から発信できる持続可能な開発目標として「エネルギー」・「食」・「人」をテーマとし、目指すべき未来社会の実現に向けた課題を発見できる「気づき」の能力とイノベーションに繋がる創造性を、価値観や世界観の異なる多国籍の柔軟な発想力を有する若い世代の学生が、ワークショップを通じて議論することで、特定の地域や国にとらわれないグローバルマインドを有したエンジニアを目指し、高学年の専門教育の学びへ繋げること」を目的として実施いたしました。

 ワークショップのテーマは以下の3つです。

  • 「エネルギー」:参加者の各地域における再生可能エネルギーについて
  • 「食」:食品産業における廃棄物や未利用「資源」の有効利用について
  • 「人」:介護事情を踏まえた高齢者の自立支援技術について

 参加した学生は、以下4か国41名です。

  • 北海道内の国立工業高等専門学校 函館18名、釧路4名、旭川2名、苫小牧2名
  • シンガポール テマセクポリテクニック 4名
  • シンガポール ナンヤンポリテクニック 3名
  • タイ プリンセスチュラポーン科学高等学校チョンブリ校 4名
  • モンゴル 新モンゴル高専 4名

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参加者・視察者全員による集合写真

 参加者への事前連絡や情報共有に関しては、会議やチャットができるオンラインツールを活用しました。セミナー1週間前に実施したオンラインミーティングでは、参加者の自己紹介とスケジュールやワークショップの説明等を行い、4か国(シンガポール、タイ、モンゴル、日本)の交流はとてもスムーズに行われました。

 初日の朝、招へい学生教員の皆さんが3か国から無事に函館空港降り立ち、セミナーがスタートしました。まずは宿泊施設で旅館とセミナー中の生活全般についての宿泊オリエンテーションを行ったのち、午後は函館高専専攻科生2名が案内係となって希望者が函館市内を観光しました。旅館には函館以外の道内3高専からの参加学生たちも一緒に滞在し、初日の晩御飯時に宿泊者全員が集まったところで、阿部校長の歓迎挨拶と宿泊学生全員の自己紹介を行いました。

 2日目の午前中に実施したオリエンテーションでは、スケジュールやワークショップの説明と、参加者の自己紹介を行い、アイスブレイク(マシュマロチャレンジ)を実施して参加者同士の交流を促進させる工夫を取り入れました。午後からはフィールドワークを実施し、ワークショップの3テーマと関連がある函館市内の施設(「食」:五稜乃蔵函館高専ラボ、「人」:看護リハビリテーション学院、「エネルギー」:函館水産海洋センター)を貸切バスで巡り、各テーマへの理解を深めました。

活動レポート写真2
フィールドワークにて

 3日目からのワークショップでは、それぞれに有意義なグループワークが繰り広げられていきました。日本人学生たちにとっては、この非日常体験が、今後の英語学習と国際交流を行う機運を高める良い刺激になったようです。

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ワークグループ実験の様子
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グループディスカッションの様子

 6日目のグループプレゼンテーションは、全員が英語でプレゼンに参加し、テーマごとの理解を深めた内容となり、ワークショップ学習の成果が発揮された素晴らしい内容となりました。午後のエクスカーションでは、五稜郭と元町地区を散策し、函館奉行所や五稜郭タワー、旧函館区公会堂の見学と函館山ロープウェイ体験など盛り込み、函館の歴史と文化を直に感じてもらいました。

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グループプレゼンの様子