2022年度 活動レポート 第138号:大阪公立大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第138号 (Aコース)

ものづくり技術から学ぶイノベーション人材の養成

大阪公立大学高度人材育成推進センター
教授 芦田 淳さんからの報告

【趣旨】

 我が国の先端科学技術の社会実装に関する知見を得たうえで、未来社会を創造し得るイノベーション人材として活躍するための素養の取得を目指す。また、科学技術を人類の普遍的な価値へと昇華させるために必要となる、知識やスキル、マインド等について、学生とのグループワーク等を通じて体得することを目的とする。本プログラムでは、タイで企業大学として実学を重視した教育を展開する、パンヤーピワット経営学院(PIM)の学生と教員を招へいし、本学(OMU)から意欲溢れる学生をプログラムに参加させ、両者が協働で上記目的の達成に向けて、多様なプログラムやワークショップを期間内に実施する。両大学から参加する学生は、日本のものづくり企業に蓄積される様々な技術的ノウハウやその活用事例について、工場見学や技術者との議論を通じて学ぶ。また価値創造に向けて、国籍や専門性などが異なるダイバーシティ環境での見学や価値創造グループワーク、プレゼンテーションを行い、アントレプレナーの素養を体得する。これらのプログラム実施を契機として、イノベーション人材育成分野での両大学の学生交流・研究交流をさらに促進することを目指す。

【参加者】

  • PIM:学生10名(いずれも教養学部ビジネス日本語科3年生)、引率教員1名
  • OMU:学生7名(全員学部学域生、工学部2名、現代システム科学域2名、法学部、理学部、商学部 各1名)

活動レポート写真1
初日 中百舌鳥門にて

スケジュール

午前 午後 備考
2月26日 関西国際空港到着
出迎え、バスでホテルへ移動
PIMの学生のリクエストで京都観光。過去にPIMでのプログラムに参加したOMUの学生が案内。 教職員2名 出迎え
2月27日
  • オリエンテーション
  • 講義1「ものづくりの事例と産業のしくみ+SDGs達成への取り組み」
  • 講義2「システム思考入門—ものを作ることと発想すること—見学先企業のものづくりの予習」
  • 植物工場見学
  • 講義3「アントレプレナーのスキルを学ぶ」
中百舌鳥C
2月28日
  • 企業見学1(宮川化成工業)
  • 企業見学2(豫洲短板産業)
  • 大阪イノベーションハブ 見学
  • グループワーク(翌日のフィールドワークの準備)
午後のワークは、健康科学イノベーションセンターで実施
3月1日
  • 企業見学3(錦城護謨)
  • フィールドワーク(奈良市内)
    「異文化理解と奈良の観光振興について」
午後はグループ単位で行動
3月2日
  • 講義4 「プレゼンテーションに向けて」
  • グループワーク(フィールドワークでの気付きの整理)
  • グループワーク(発表内容の検討と、意見、提案等の整理)
  • プレ発表会
中百舌鳥C
3月3日
  • グループワーク(発表準備)
  • 最終発表会、修了式
  • 意見交換会
中百舌鳥C
3月4日 ホテルから関西国際空港へバスで移動、見送り 教職員2名とOMUの学生6名関空まで見送り

【概要】

 企業見学では、3社様とも非常に丁寧に対応して頂き、ものづくりの現場を間近にみることができた。またPMI、 OMU双方の学生とも積極的に質問をしていた。
 講義は、いずれも初学者向けに配慮した内容とし、一部手を動かす演習を含めることにより、学生の集中力を途切れさせることなく実施できた。
 フィールドワークでは、事前に行動計画を策定する時間を設けたことにより、短い時間で課題意識を持って効率的に行えたようである。奈良での体験を基に、両国の文化や観光のあり方の違い・共通点をグループ毎に議論し、あたらしい気付きや課題、またインバウンド観光の振興に対する提案などを短時間でまとめあげた。

活動レポート写真2
訪問先の企業にて
活動レポート写真3

 プログラムの目的である日本のものづくりに対する理解と価値創造に向けたグループワークの経験に加えて、プログラム内外での両大学の学生の密な交流が行えた。
 PIMの学生に対して事後に実施したアンケートでも、非常に有意義であったとの回答が大半であり、またOMUの学生に課した事前事後の課題においても本プログラムの目的を十分に理解して参加したことが読み取れる。
 全体を通して、OMUの学生に積極的かつ献身的なサポートが見られた部分が多く、彼らの力なしには本プログラムは成功しなかったと考える。

活動レポート写真4
発表に向けたグループワーク