2022年度 活動レポート 第136号:京都工芸繊維大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第136号 (オンライン)

KIT Bio Tech & IT Online Spring School 2023

京都工芸繊維大学からの報告

【実施期間】

 2023年1月30日~2月3日

【概要】

 カンボジア、ラオス、ベトナムの大学とオンラインを通して「健康長寿社会実現のためのバイオxITエンジニア育成スクール」をテーマにバイオとITの2つの分野で講義・ワークショップ・グループディスカッションを行った。海外からは合計31名の学生が参加登録をしたが、現地では多くの学生が一つの会場に集合して研究発表等を聴講しており、聴講者を含めた参加人数は31名より遥かに多かったことが確認されている。分野を横断する企画としては、教員による各所属機関の紹介および研究紹介を実施し、また、日本人学生を含む全体での主体的な学生間交流を目的として、参加学生が所属機関ごとのグループに分かれ「キャンパスライフ紹介」として自身の住む国・町・大学を紹介する機会を設けた。キャンパスライフ紹介では司会進行は日本人学生が行い、学生達は自身の研究分野の知識を深めるのみならず、専門外の研究、他大学の情報、日本や日本への留学についても知ることができた。
 オンライン上ではあるが、学生間の交流は日に日に活発になり、チャットルームでは質問や反応が常に飛び交うようになった。オンライン上のビデオ会話も積極的に行われるようになり、楽しく交流を深めたことで、日本への留学に対する意識の高まりがみられた。プログラム実施後には参加者から本学への個別連絡があり、うち数名は来年度の具体的な留学計画へとつながっている。

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現地での参加風景

【実施内容】

1月30日
●「開講・アイスブレーキング、バックグランド調査」

 スクールの開講および参加者に対するアイスブレーキングをオンラインにて行うと共に、講義・ワークショップ・グループディスカッションやコンテンツ共有のローカルルールについて確認した。また、各専門分野のバックグランドとなる基礎知識の習得状況に関する調査も行い、以降のアクティビティにおける難易度や補足説明の必要性を確認した。参加学生の自己紹介をチャット上で行い、アイスブレーキングも兼ねた日本についてのクイズを行った。

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アイスブレーキング
1月31日~2月1日
●分野横断企画「実施機関教員による大学紹介・研究紹介・質疑応答・グループディスカッション」

 バイオとITの2分野の参加者が一同に会して実施した。
 各大学のコーディネーター教員による大学紹介では、参加学生に対し各大学の魅力を紹介する良い機会となった。参加者からは奨学金など具体的な質問があり、日本への留学への関心の高さが感じられた。
 教員による研究紹介では、参加学生にとって自分の専門外の最先端の研究に触れる貴重な機会となった。

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大学紹介
●分野別企画「オンライン基礎実験(Bio)・IoTワークショップ(IT)」

 バイオとITの2分野に分かれて実施した。
 バイオは、天然由来の生理活性物質の機能利用を主題に、2つの模擬実験「ショウジョウバエを用いた疾病モデルの構築、天然由来治療薬シーズの探索」「天然抗菌活性物質による感染症抑制」に関する模擬実験を行った。模擬実験は京都工芸繊維大学のTA学生が実施し、担当教員がオンラインで解説し、実験方法の妥当性、結果の解釈等の議論をグループディスカッションで行った。また、参加学生が卒業研究や学習内容を紹介し、質疑応答を通じて交流を進めた。
 ITは、Industrial IoT(IIoT)の技術基盤とdigital twinによる技術革新の功罪を主題とし、ワークショップでは、インタラクティブな講義、実践事例紹介、課題に対するグループディスカッションを実施した。グループごとに京都工芸繊維大学のTAを1名配置し、課題に取り組んだ。講義や事例紹介でもチャット機能等を活用したリアルタイムでのインタラクションを行うため、複数のTAをモデレータとして配置し、講師役の教員を補佐した。
 両分野とも、どの学生も熱心に課題に取り組んだ様子が伺えた。

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グループディスカッション
2月2日
「学生交流(参加学生によるキャンパスライフ紹介)」(前半)

 参加学生が所属機関ごとのグループに分かれ自身の住む国・町・大学を紹介する資料や動画を予め準備し、当日参加者全員で鑑賞し、意見交換した。

2月3日
「学生交流(参加学生によるキャンパスライフ紹介)」(後半)/「フォローアップ・クロージングミーティング」

 学生によるキャンパスライフ紹介の後半を実施した。学生から互いに多くの質問があり、活発な交流を実現できた。初日と比べて、学生間の積極的な発言が大幅に増え、予定時間を超えるほどであった。短期間のオンライン交流ではあったが、効果が表れていた。
 また、本交流活動の締めくくりとしてオンデマンド型のクロージングミーティングも開催し、学生同士による質問を行った。最後に本交流活動全般に関する参加者アンケートを実施した。
 アンケートでは、参加海外学生から、「プログラムに大変満足」「将来日本へ行きたい」とのコメントが相次いだ。日本留学に関する個別相談の申し出も受け、本プログラムの効果を強く感じた。

【SNSでの公開】

 本プログラムの様子を京都工芸繊維大学国際センターFacebook に掲載した。
 https://www.facebook.com/KIT.Kyoto.International/posts/
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