2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第129号 (Aコース)
最先端の歯科材料でつなぐアジアの医療科学
鹿児島大学からの報告
2023年1月23日から1月28日の日程で、「さくらサイエンスプログラム」の支援により、部局間学術交流協定校である韓国・慶煕大学校歯学部から学生4名を招へいし、プログラムを実施しました。本プログラムでは、本学歯学部での講義・実習への参加、本学大学病院の見学、歯科材料・機器の開発・製造販売を行うグローバル企業の見学を行いました。
【1日目】
午後から本学にて田松教育委員長、学生海外研修実施部会の教員による開校式、オリエンテーション、本プログラムのスケジュールの確認(スケジュールの説明は事前オンライン交流で実施)などが行われました。
【2日目】
1限目は、本学歯学部4年生の「国際医療人育成学Ⅲ」の講義に参加し、交流授業を行いました。「アーミッシュ」は日本にも韓国にもない閉ざされたコミュニティーであり、アーミッシュの口腔衛生の問題解決について、本学学生とともにグループディスカッションを行いました。また「マウスガード」については、世界的に現在問題になっている頭蓋顔面の外傷の予防に勧められており、普及が進んでいないマウスガートの問題解決についてもグループディスカッションが行われました。その後グループごとに成果発表が行われました。学生間での活発なコミュニケーションにより相互理解は深まったものと思われました。
2限目は矯正治療の診断に関して本学歯学部の臨床実習生と肩を並べて矯正歯科の病院見学に参加しました。また午後からは、実際に窩洞形成(歯を削る)、ディスカッション、発表と本学学生の歯科保存学の基礎実習に参加しました。本学の学生と一緒に授業や実習に参加したり、病院見学を体験することによって、招へい者のみならず、本プログラムに参加した本学の学生も日本と韓国の歯科医療の類似点、相違点などを認識することができたのではないかと思います。
【3日目】
大雪の影響のため、予定を変更し、交通ダイヤに乱れがありましたが、一日かけてなんとか京都まで到着することができました。
【4日目】
予定通り、京都の歯科材料・機器の開発・製造販売を行うグローバル企業である株式会社松風ならびに株式会社モリタ製作所の2社を訪問しました。歯の延命をサポートするバイオマテリアルの歯科材料についての講義や最新の歯科用ユニット製作の工程などを見学させていただきました。また体験学習を行うことによって歯科材料分野に対する理解を深め、また韓国との相違点を認識するとともに日本の歯科・歯学に対する更なる興味を強めることに繋がったのではないかと思われます。
【5日目】
午前中は、鹿児島大学の最先端の研究紹介が行われ、担当教官と有意義な討論が行われました。午後からは教育委員長、学生海外研修実施部会員とともに、本プログラム研修に関する成果報告などを含めた意見交換会を行いました。意見交換会では、再び来日し、研究や歯科医療に携わりたいとの意見が得られ、本計画の実施により学術交流協定校とのさらなる交流の拡充、相互間における歯科医療・共同研究体制の発展につながったのではないかと考えます。
最後に教育委員長より修了書を授与され、本プログラムを終了いたしました。
短い期間ではございましたが、本プログラムの実施にあたり、ご協力いただきました本学教員、学生ならびに事務職員の皆様に感謝いたします。また本プログラムを支援していただきました「さくらサイエンスプログラム」に改めて厚く御礼申し上げます。